2016 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるプロアクティブなキャリア教育・支援モデル構築に関する研究
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26381343
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中川 洋子 立命館大学, 共通教育推進機構, 教授 (70290608)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | キャリア教育 / キャリアサービス体制 / プロアクティブな支援モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学生を就業に対するレディネスでセグメントし、セグメントに応じた「プロアクティブ」な支援モデルを構築することである。そのために、「セグメント基準の検討」→「セグメントに応じた支援プログラムの構築」→「プログラムの実施と効果検証」のサイクルで継続的な実証研究を行っている。 3年目の本年度は、よりプロアクティブ(予防的)な介入を目的に「低年次生」対象の「プログラムの実施と効果検証」を行った。これまで主たる対象としていた高年次生と比較して、低年次生対象プログラムでは、「グループの同質性(グループ活動の場合)」や「連携先からのフィードバック(産学連携型授業の場合)」というような「プログラム運営方法」が、教育効果に及ぼす影響が大きく、さらに、「個人特性(キャリア関連の認知要因・学習観)」が媒介することで、教育効果をより促進(阻害)させる可能性があることが明らかになった。これにより、「個人特性」と「プログラム運営方法」の組み合わせによるセグメントと介入プログラムの構築可能性が示された。これらは、特定の層にいかにして必要なサービスを届けるかを検討する「キャリアデリバリー論」に、有益な示唆をもたらすことが期待できる。 加えて、支援プログラムの運営に影響を及ぼすであろう「キャリア支援担当者(キャリアサービス提供者)」の「個人特性」や「価値観(キャリア教育観)」、さらには教育コストの面から、外部人材の活用を想定した際の「参入障壁」について、次年度アンケート調査を実施予定であり、そのための予備調査(ヒアリング)と調査票の設計を今年度行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主課題の「セグメント基準の検討」→「セグメントに応じた支援プログラムの構築」→「プログラムの実施と効果検証」については、当初の予定通りに完了し、現在、報告書の公刊に向けて準備中である。 しかしながら、発展課題のキャリア支援担当者を対象とした調査については、以下の理由により予定より遅れている。研究の遂行過程で、対象関連領域の学会より調査協力を頂けることになり、これにより「現在の担当者」だけでなく、将来のキャリア支援担当者となりうる「潜在的なキャリア支援者」をも含めた大規模調査が可能となることから、高い実践的貢献が期待できると判断して「研究計画」を変更したことが主要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、主課題については、現在、最終的な報告書の公刊を準備中である。 発展課題については、カウンセリング専門職の学会より、共同研究として学会員を対象にした悉皆調査へご協力いただける旨の内諾を得て(学会理事会にて承認済み)、学会の研究部会の先生方と「実施概要・調査項目」の打ち合わせを既に完了している。次年度中に、調査票の最終調整・調査の実施・分析・報告を行う予定で進めている。
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Causes of Carryover |
当初計画では、キャリア支援担当者を対象としたアンケート調査をWEB調査にて実施する予定であったが、研究を推進・発展させる過程で、カウンセリング専門職の学会より、学会員を対象とした悉皆調査として、当該調査にご協力頂ける可能性が示された。これにより、「現在の担当者」だけでなく、将来のキャリア支援担当者となりうる「潜在的なキャリア支援者」をも含めた大規模調査が実施でき、より精緻で汎用的活用度の高いデータ取得が期待できると考え、研究計画の変更を行うこととした。 これに伴い、当該調査の調査費用のみならず、結果報告(該当学会の全国大会)や回答者への報告書返送を含めた費用を、まとめて次年度に繰り延べることにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由のとおり、今年度繰り延べた費用を、次年度の調査費用や結果報告(学会等)・回答者への報告書返送を含めた費用として使用する。
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Research Products
(3 results)