2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26390004
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
越野 雅至 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノ材料研究部門, 研究グループ長 (00505240)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡 / 単原子 / 単分子 / EELS / EDS / グラフェン / ナノチューブ / フラーレン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,各種原子および分子の構造,電子状態,およびそれらの動きや化学反応の観察と解析を目指して実験を行った.まず,STEM-EELS分析において,各種原子ラベルを施した有機分子の動きの解析を行った.特に、ハロゲン化有機分子の元素同定に関しては,ベンゼン環の周辺水素原子を,塩素,臭素,ヨウ素で置き換えた分子を準備し,EELSおよびEDSによる元素の同定と,分子位置および分子の配列の特定を試みた.この研究結果は,ハロゲン利用ミニシンポジウムで発表し,専門家との議論を深め,論文化を進めている.また窒素ドープしたグラフェンでは,窒素原子がドープした各種金属原子と特異な配位構造を形成することが分かり,その原子レベルSTEM像とEELSによるスペクトルを取得し,理論計算により求めた電子状態からうまく説明した結果をNano Lettに発表した.今後は,破壊仮定に関する研究も進めていく予定である.また、分子の動きからさらに化学反応に関する高速撮影も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に基づき順調に研究が遂行された.特筆すべき事項として,H27年7月に開催されたGatan Scripting School上級編に参加することにより,計測制御用ソフトウェアを開発するGatan社のBernnard Schaffer博士からオブジェクト指向の言語開発の重要な部分を教わることができたことは研究を遂行する上で大きな財産であり,本助成金が大きな助けになった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始時に掲げた4つのテーマに基づき,それぞれの進捗に合わせて適宜論文発表を行う.すなわち,1.高速ADF像―EELS情報取得技術,2.原子ラベリング,3.外部環境変化に対する分子や原子の動きおよび化学変化の解析,4,超薄膜、真空への試料固定による超高感度測定を念頭に入れ,具体的な論文化をイメージしながら研究をまとめる.
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[Presentation] STEM-EELSによる構造および電子状態の解析2015
Author(s)
越野 雅至, Luiz Tizei, Jamie Warner, Ovidiu Cretu, 劉 崢, Lin Yung-Chang, Hee Kwan, 飯泉 陽子, 岡崎 俊也, 末永 和知
Organizer
日本顕微鏡学会第71回学術講演会
Place of Presentation
国立京都国際会館,京都市
Year and Date
2015-05-13 – 2015-05-13