2016 Fiscal Year Annual Research Report
Atomic-scale analysis of the ordering of the strongly correlated electrons by monochromated aberration-corrected TEM/STEM
Project/Area Number |
26390012
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
長井 拓郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 電子顕微鏡ステーション, 主任エンジニア (90531567)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ローレンツ電顕法 / モノクロメータ / 球面収差補正 / ヘリカル反強磁性 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子自由度の一つであるスピンの原子スケールでの実空間観察を目的として、スピン磁気モーメントの高空間分解能観察を可能とする、モノクロメータ収差補正ローレンツ電子顕微鏡法の開発を行った。対物レンズの励磁は行わず、弱励磁のローレンツレンズを励磁させ、このレンズに対して球面収差補正装置を用いて収差補正を行った。さらにモノクロメータを作動させて電子線を単色化することにより色収差を低下させ、ローレンツ電顕像の情報限界を0.6nmまで向上させた。この高分解能ローレンツ電子顕微鏡法を用いて、試料に対して磁場を印加しない状態で、室温において層状マンガン酸化物R1-xA1+xMnO4の結晶格子を観察し、0.62nm周期の格子縞を観察することに成功した。また、このローレンツ電顕法を用いて、希土類金属ジスプロシウム(Dy)のヘリカル反強磁性相において生じる磁気モーメントについて実空間観察を行った。液体窒素冷却ホルダーを用いた低温高分解能ローレンツ電顕観察の結果、このヘリカル反強磁性相において面内磁化分布の温度変化を実空間観察し、試料に対して磁場を印加しない状態で磁気ソリトンが形成されることが観察された。また、0.9nm離れた反転する磁気モーメントを分離して観察することができた。さらに、対物レンズを部分的に励磁させることにより、試料に対して所定の磁場を印加した状態で低温高分解能ローレンツ観察を行い、磁気モーメントが変調する反強磁性相間における相競合を実空間観察することに成功した。
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Research Products
(2 results)