2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26390020
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
桑原 穣 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (60347002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 清二 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (50225265)
山口 佳宏 熊本大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10363524)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光応答性材料 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
(2) リオトロピック液晶系におけるMAz修飾ナノシートの刺激応答挙動および相変化挙動の評価:前年度に引き続き、蛍光色素を内包し、アゾベンゼン分子を含んだベシクル分散液の蛍光挙動を検出する手法を用いて、MAzのモデル分子mAz分子の光刺激応答挙動を評価した。数種類のmAz分子を用いた評価結果より、mAz分子の形状および分子長がベシクル分子膜の不安定化に影響し、膜構造を一部破壊できることが示唆された。さらに、mAz分子を含むリオトロピック液晶の相変化挙動を偏光顕微鏡観察下で観察し、評価した。蛍光色素を用いた評価法と同様にAz分子の形状および分子長がベシクル分子膜の不安定化に影響することが示唆された。これらの結果は修飾用アゾベンゼン化合物の再設計に有用な情報である。 (3) MAz修飾ナノシート存在下刺激応答による細菌増殖挙動評価:大腸菌系においては、評価法の検討を実施した。光照射実験に適し、増殖抑制性の評価が可能である評価法を選定した。可視光照射下での培養を検討した結果、高強度光照射下で菌自身の減菌性が確認された。照射強度の最適化が必要となり、照射手法および評価法の条件検討を行った。枯草菌系の培養実験について、培養条件などの条件設定について検討した。 (4) 修飾用アゾベンゼン化合物MAzの再設計と刺激応答による細菌または細胞系での評価:リオトロピック液晶系実験の結果を踏まえて、分子形状および分子長を考慮したMAz分子を再設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細菌増殖挙動評価において、可視光照射下での培養を検討した結果、高強度照射下でAz無添加系においても減菌性が確認された。この結果、照射手法および評価法の条件検討に時間を要した。これに関連する実験項目(3)MAz修飾ナノシート存在下刺激応答による細菌増殖挙動評価において、計画実施にやや遅れが出ているが、全研究期間内には研究目的の達成のための全研究計画を遂行できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(3) MAz修飾ナノシート存在下刺激応答による細菌増殖挙動評価:光照射下における細菌増殖挙動の評価法を確立させる。リオトロピック液晶系の結果を基に、単細胞細菌である、大腸菌または枯草菌の培養実験系を確立した上で、MAz 修飾ナノシート材料を添加して、刺激照射による細菌増殖挙動を評価する。 (4)修飾用アゾベンゼン化合物MAz の再設計と刺激応答による細菌または細胞系での評価:上記、細菌増殖評価実験の結果、刺激応答の有無が検出された場合は、その細菌の生体膜の相互作用に最適となる官能基を探索して、修飾用MAz を再設計して合成する。刺激応答性の向上および機構の解明を行う。
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Causes of Carryover |
細菌培養実験等の消耗品について、既存の物品を使用することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費購入費として、次年度以降に利用する。
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Research Products
(1 results)