2016 Fiscal Year Annual Research Report
Shape elongation of embedded metal nanoparticles induced by swift heavy ion irradiation
Project/Area Number |
26390032
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
雨倉 宏 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主席研究員 (00354358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 健一郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 若手国際研究センター, 研究員 (50354353) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高速重イオン / 金属ナノ粒子 / Ion Beam Shaping / 楕円ナノ粒子 / ナノロッド / 照射誘起楕円変形 / プラズモニクス / イオンビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、未だ完了していない残りの二課題を進めるとともに、本研究課題の発展的課題(4)を実施した。 (2)ロッド化効率の照射温度依存性: 照射は温度を変えて実行できるインドの加速器施設IUACで行い、試料の評価は日本で行った。初年度の実験は失敗であったが、平成27年度は失敗の原因究明から問題点を抽出し対策を施したため、見事に平成28年3月に照射実験が無事に終了し、今年度(平成28年度)前半に試料測定を完了した。結果は満足のいくものであったが、後日、インド側の共同研究者から実験条件の軽微な不備が指摘され、再実験を打診した。平成29年2月に時間がもらえ、訪問したところ、装置の不具合で実験が実施できなかった。インド側共同研究者が責任を持って試料照射を実施するということで、現在はそれを待っている。 (3) 規則配列した単分散ナノ粒子への高速重イオン照射: 電子線描画で作製した金ナノ粒子をSiO2膜で被覆し高速重イオン照射を行い楕円化した後に、透過電子顕微鏡観察用の試料を切り出す予定であったが、Gaイオンで観察するFIB装置では帯電のため観察用試料は作製できなかった。そこで近年注目されるHeイオン顕微鏡が帯電に強いという情報を聞きつけ、外部協力の下、直接観測を試みたが分解能が足りなかった。そこで、学会や国際会議で対象が異なるが似たような測定をやっているところなどから情報収集を行ったが、空振りであった。電子線で観測するFIB装置ならば可能ではないかという未確認情報を得たので借りる宛てが見つかれば試してみたい。 (4) 量研機構高崎が大電流のC60クラスタービームの発生に成功したことを知り、クラスターイオンを用いて本研究と同じナノ粒子の楕円変形が誘起できるかどうかの実験を提案し、最初のデータを得た。この実験が行えるのは世界中で高崎だけなので独創性は高い。
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