2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study of transport of cells and single-cell isolation technology by combination of semiconductor microfabrication processes and Chladni patterns
Project/Area Number |
26390037
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松谷 晃宏 東京工業大学, 技術部, 技術専門員 (40397047)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ・マイクロ科学 / 単一細胞分離 / 液体定在波 / マイクロレンズ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,単一細胞操作の技術開発の要求が増加している。従来の生化学的技術では集団の分析であるため,多くの細胞から得られた平均値のみを情報として得ており,細胞の個性を無視した分析であった。細胞を単一分離することができれば,個々の細胞の振舞いに着目した研究が可能になり,創薬や細胞工学の研究に新しい展開が期待できる。28年度の本研究では,酵母細胞について,細胞懸濁液中にパターンを形成させる基板表面上に半導体プロセスを用いてマイクロレンズアレイを製作し,裏面よりコリメートされたレーザ光を照射し集光位置に粒子をトラップし細胞の輸送の制御方法の可能性について実験的に検討した.単一細胞分離構造への細胞導入のための位置決め技術におけるマイクロレンズの製作ついては,より簡単に製作可能なようにスンプ法によるセルロイド基板上にマイクロレンズを製作することとした.スンプ法に用いるモールドは,シリコン基板に電子線レジストをスピンコートで塗布し,マイクロメートル以下の円形開口を電子線露光により形成した.その開口部を通してフッ化キセノンを用いた気相エッチングによりシリコン基板を部分的に半球状にエッチングしてモールドとした.セルロイド基板表面を酢酸アミルで軟化させたのちにこのモールドに圧着させ,固化したのち離型してセルロイド製のマイクロレンズを製作した.これを細胞の収集パターン形成用の透明容器の底面に接着し,垂直振動による酵母細胞の収集パターン形成が可能なことを確認した後,酵母懸濁液を注いで底面よりコリメートされた赤色の半導体レーザ光を照射したところ,懸濁液中で移動する酵母細胞が,レーザ光の集光部で停止する事象を確認した.前年度までの成果と合わせて,単一細胞分離構造と垂直振動による細胞収集パターンの形成およびマイクロレンズアレイを融合することにより,細胞輸送の制御方法を実現するための要素技術を実証した.
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