2015 Fiscal Year Research-status Report
ナノ結晶による1GHzMEMS金属共振器のエネルギ損失機構の研究
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26390041
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
谷川 紘 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 上席研究員 (00469199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 矢吉 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 上席研究員 (30016802)
鈴木 健一郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (70388122)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MEMS / 共振器 / ニッケルメッキ / 電気機械変換効率 / リング共振器 / エクステンショナルモード |
Outline of Annual Research Achievements |
300 MHzダイレクト発振を可能とする新規なMEMS共振器について、構造設計及び半導体回路との集積化を可能にする作製方法の開発と評価を実施した。
構造設計:共振器は、高周波化と作製の容易さを実現するため、途中の二か所で支持されたリング型の構造をもっており、大きな電気機械変換効率を実現するために、駆動固定電極とリング間を0.2 μmと小さなギャップをもつように設計した。このリング共振子は、高い共振周波数を得ることができるニッケルから構成されており、Ex-modeと呼ばれる共振子自体が拡大・収縮を繰り返す共振モードで振動する。リング型共振器では(m,2)モードがEx-modeを表しており、mはリング内に存在する節点の数が2m個存在することを示している。(0,2)モードは、大きな振幅をもっているが、節点がリング中央に存在するため支持機構を精密に作製することが困難である。そこで固定部と共振子を同時に作製することが可能な(1,2)モードを採用した。
作製方法:ニッケルを用いたサーフェスマイクロマシニングにより、共振器を作製した。この作製方法は、1.ニッケルアンカーとの付着力向上のためプラチナを用いて伝送線路を形成、2.PECVD酸化膜を犠牲層に用いることにより挟ギャップを形成、3.レジストエッチバックプロセス利用したリング共振子上部のシード層除去によりブリッジ形成による短絡を防止、という特徴を持っている。この作製方法によりニッケルメッキリング型共振器を試作した。作製したデバイスの測定・評価を行った結果、峡ギャップのために短絡がみられ試作したデバイスに適切に電圧をいんかすることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試作したデバイスに電気短絡が発生したために駆動させることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
めっき技術の改善を進めるが、同時にシリコン共振器についても並行して検討する。
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Causes of Carryover |
購入物品に差額が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金は次年度予算と合算して部品費として消費する。
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