2015 Fiscal Year Research-status Report
シャトルコック型フタロシアニン系タンデム逆型有機太陽電池の作製と物性評価
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26390047
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| Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
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Principal Investigator |
鈴木 厚志 滋賀県立大学, 工学部, 助教 (30281603)
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2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 有機・分子エレクトロニクス / 高効率太陽光発電材料・素子 / 有機太陽電池 / 表面・界面物性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
シャトルコック型フタロシアニン金属錯体を利用しながらペロブスカイト系太陽電池を作製し、光起電力特性を評価した。ホール輸送層としてフタロシアニン金属錯体を導入した独創的かつ高性能なペロブスカイト系太陽電池を作製し、吸収特性、光起電力特性を向上させた。特にシャトルコック型フタロシアニン金属錯体である鉛フタロシアニン錯体、バナジウムフタロシアニン錯体、バナジウムナフタロシアニン錯体、ゲルマニウムフタロシアニン錯体をホール輸送層に導入することにより吸収波長を広域化し、輸送特性、光起電力特性を向上させた。製膜条件によるホール輸送層や光活性層の結晶サイズの制御により輸送特性や光起電力特性の向上を行った。光起電力特性、外部量子効率からフタロシアニン錯体の分子構造の違いによる光電荷分離、電荷移動、光起電力特性への影響を検討した。SEM/EDX、X線回折の測定により光活性層の表面結晶形態や結晶成長を評価しながら構造最適化を行った。光起電力特性、吸収特性、外部量子効率の測定からホール輸送特性や吸収波長の影響を検討し、光起電力特性を明らかにした。量子化学計算法によるフタロシアニン金属錯体の電子構造や励起過程、吸収特性から分子構造の違いによる光起電力特性への影響を検討し、光起電力特性や作動安定性の向上を行った。得られた結果を取りまとめ、材料、有機エレクトロニクス材料に関する国際学会において口頭・ポスター発表を17件行った。学術雑誌や国際学会の特集号に論文を投稿し、6件掲載された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、シャトルコック型フタロシアニン金属錯体を利用したペロブスカイト系太陽電池を作製し、特性評価することができた。光起電力特性、吸収、外部量子効率の測定から光電荷分離、電荷移動、光起電力機構を検討した。光起電力特性や光電変換効率、外部量子効率の測定からフタロシアニン金属錯体のホール輸送層としての役割や光起電力特性への影響を明らかにすることができた。ホール輸送層の調節により光活性層の表面形態やペロブスカイト結晶成長を促進し、光起電力特性、光電変換効率を向上させた。得られた結果を取りまとめ、材料、有機エレクトロニクス材料に関する国際学会において口頭・ポスター発表を行った。学術雑誌に論文を投稿することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
フタロシアニン錯体を利用したペロブスカイト系太陽電池を作製し、光起電力特性の向上を目指す。光電変換効率の大幅な向上を目指すために様々な系のフタロシアニン金属錯体を導入することによりホール輸送特性、吸収特性、ペロブスカイト結晶成長を促進し、光起電力特性の向上を行う。さらにペロブスカイト結晶のハロゲンドープや組成成分を調節することにより電子構造、電荷分離、電荷移動を改善し、輸送特性、光起電力特性の向上を目指す。さらに量子化学計算法からフタロシアニン金属錯体の共役系や中心金属の影響を予測し、実験結果と比較検討しながらその効果を検討する。
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| Causes of Carryover |
当初の計上していた物品費予算よりも低い金額で、シャトルコック型フタロシアニン金属錯体を利用したペロブスカイト系太陽電池を作製し、特性評価することができた。様々なフタロシアニン金属錯体の中心金属や共役系の影響について、量子化学計算の結果に基づいて低コストで評価することができた。さらに旅費に関しても学会開催場所が関西付近であることや国際学会の選択や査読付きの論文投稿の選定により当初予想していた金額よりも低価格で、国際学会への参加ならびに投稿論文を専門書に掲載することができた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は科研費の支援が最後の年であるために経費予算が減少している。研究に関する物品費や国内外の学会の旅費、参加登録費に割り当てる予定である。
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