2016 Fiscal Year Research-status Report
高精度位相計測を利用した非接触・非染色顕微断層解析の新手法開発
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26390079
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡邉 恵理子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20424765)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光干渉計測 / ホログラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、厚みのある細胞(重層細胞シート等)を非接触・非侵襲・非染色で計測可能な顕微断層解析の新手法を開発することを目的とする。これまで構築してきたフィードバック型高精度位相計測システム(波長633nm)に、プローブ光を同軸で導入し、その応答を測定することで細胞内部の新たな情報を計測する。ここで、偏光計測モジュールなどを導入し、細胞計測のためのパラメータの増加、感度向上も実施していく。 また、デジタルホログラフィの手法を利用して、ホログラフィックに3次元的に断層状態を計測する手法に関しても研究する。 本年度は、フィードバック型高精度位相計測システムのSN比の向上の一つの提案として、微小な細胞の変化を計測するために、定量位相変化量と複屈折位相差と主軸方位をほぼ同時計測を可能とする顕微計測システムの構築を行った。ここで、変化する細胞の偏光情報は微小であるため、シャーレなどに起因する偏光ノイズが偏光計測において課題であった。複屈折位相差δがδ<<1[rad]条件とし、シャーレの複屈折は連続であると仮定した上で、シャーレ部の複屈折を推定し、 細胞の複屈折位相差とシャーレの複屈折位相差とを分離した。この方法により、複屈折位相差と主軸方位において、詳細な細胞の偏光情報を得ることが可能になった。 次に、定量位相・偏光計測システムを利用し、これまで計測実績のある試料として、大腸細胞と乳腺細胞のそれぞれ正常細胞・非転移性癌細胞を対象とし、定量位相変化量、複屈折位相差、主軸方位を計測し解析した。 また、球面参照波を利用したデジタルホログラフィによる断層構造解析に関しては、計算手法の改善により、厚み方向においてより広範囲な焦点合わせを行える可能性を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ライフイベントにより休暇を取得したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.微小な細胞の変化を計測するための計測パラメータ(定量位相に加え偏光情報など)の感度向上 2.対物レンズのNA、励起光の波長、励起周波数などを含めたシステム再設計 3.屈折率差のあらかじめ既知の試料を複数用いた基礎実験によるシステム評価 3.厚みのある細胞への適用 4.細胞検査へ向けた細胞機能との相関性検証
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Causes of Carryover |
平成28年度はライフイベントにより休暇を取得したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に計画していた項目として、光デバイスの購入、学会発表用費用、論文投稿費用に充当する。
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