2014 Fiscal Year Research-status Report
GaNの光学異方性を用いた金属ワイヤーグリッド伝搬型表面プラズモンセンサー
Project/Area Number |
26390082
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
元垣内 敦司 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303751)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 表面プラズモンセンサー / 半導体 / 金属 / 屈折率 / 回折格子 / 2層型ワイヤーグリッド構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、GaNと金属ワイヤーグリッドを用いて、屈折率が1.5以上の媒質の高感度検出が可能な伝搬型表面プラズモンセンサーを実現することを目指し、次のことを目的に研究を行う。1.GaNと金属薄膜による伝搬型表面プラズモンセンサーを作製し、光学異方性があるGaNの面方位と表面プラズモンポラリトン(SPP)励起の関係について調べる。2.GaN基板上に金属ワイヤーグリッドを用いた伝搬型表面プラズモンセンサーを作製し、GaNの面方位と金属ワイヤーグリッドの面内方向がSPP励起に及ぼす効果を明らかにする。3.GaNと金属ワイヤーグリッドによる伝搬型表面プラズモンセンサーで、屈折率が1.5より大きい被測定媒質(目標濃度は1%以下)に対して、センシングできることを実証する。 これらの目標に対して、本年度はGaP基板とAu薄膜を用いた表面プラズモンセンサーとガラス基板上に作製したAuの1次元回折格子構造を用いた表面プラズモンセンサーで屈折率が1.65までの媒質が検出できるかどうかを調べた。 GaP基板とAu薄膜を用いた表面プラズモンセンサーでは、屈折率が1.55の2,4-ジクロロトルエンの検出ができた。さらに1-ブロモナフタレンをエタノールで希釈した混合溶液で濃度90%(屈折率1.62)の溶液を検出することができた。一方、ガラス基板上のAuの1次元回折格子構造を用いた表面プラズモンセンサーでは、屈折率1.65の1-ブロモナフタレンを検出することができた。 今後は、ガラス基板上のAuの1次元回折格子構造における結果を踏まえ、更に高感度化を目指し、2層型ワイヤーグリッド構造を取り入れた構造などを検討し、GaN基板上に表面プラズモンセンサーの作製を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GaP状のAu薄膜及びガラス基板上のAu回折格子構造を用いた表面プラズモンセンサーで屈折率がそれぞれ、1.62や1.65の媒質の検出に成功したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ガラス基板上の金属回折格子構造を用いた表面プラズモンセンサーにおいて高感度化を実現できるための方法を引き続き検討し、その成果を用いてGaN基板を用いたセンサー実現を目指す。
|
Causes of Carryover |
本研究費で執行予定の支払いを別の予算で執行したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は平成27年度で全て使用する予定である。
|