2014 Fiscal Year Research-status Report
広視野かつ深さ識別が可能な生体深部のラベルフリー反射型光学顕微鏡
Project/Area Number |
26390088
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
渡邉 歴 立命館大学, 理工学部, 教授 (90314377)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フェムト秒レーザー / 位相差顕微鏡 / 超音波 / 時空間集光顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化社会において健康状態を維持しQOLの向上を目指すためには、病気を未然に防ぐ技術やその兆候を早期に診断する技術の確立が急がれている。光を用いたイメージング技術は、高い空間分解能と高い時間分解能を併せ持つ。本研究では、生体深部のイメージング技術の確立を目的に、広視野かつ深さ分解能を有する反射型位相差顕微鏡を提案している。 平成26年度は、時空間集光型顕微鏡を試作した。光源としてパルス幅が百フェムト秒程度で、近赤外領域のフェムト秒チタンサファイアレーザーを用いた。回折格子で分光された超短光パルスを対物レンズで試料内部へと集光する。焦点面でのみ全てのスペクトル成分が空間的に重なるため、時間的、空間的に光エネルギーを閉じ込めることができ、シート状の照明が可能である。信号の検出には、購入した2次元検出器を用いた。また、レーザー光を集光すると、光強度が高い集光領域では、超音波が発生する。この光誘起超音波の検出システムを検討した。さらに、c言語により散乱媒質中の光伝搬がシミュレーション可能なMonte Carlo法を実装し、多層媒質での光伝搬シミュレーションを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は広視野反射型位相差顕微鏡システムの基盤技術の確立を目指した。光学系の設計を行い、基礎実験により、本手法の妥当性を実験的に示すことができた。ただし、光誘起超音波信号は微弱であるため、より高感度は発生、検出方法を検討する必要がある。また、散乱媒質中の光伝搬シミュレーションを構築し、実験との比較が進められるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた基礎検討の成果に基づき、このシステムでより高感度、広視野で観察することを目的に、システムの定量を進めていく。散乱性媒質中に蛍光媒質を混ぜた試料を用い、顕微鏡システムの空間分解能、深さ分解能、到達深度を評価する。一方、超音波を誘起する既存レーザーのレーザー光強度が低下しているため、視野範囲を制限し、本システムの有効性を示すことを検討している。
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