2014 Fiscal Year Research-status Report
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26390109
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 治道 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (90357145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木曽 久人 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 研究グループ長 (40356704)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超音波 / ガイド波 / 非破壊検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
パイプは生活インフラの中で広く使われている。それら安全性の確保や半導体や医薬品の性能や信頼性の向上と低価格化のためには非破壊検査や高精度な超音波流量計の開発が必要である。パイプの検査効率向上や超音波流量計の高精度化にはパイプを伝搬するガイド波の解析が必要である。本研究は、パイプを伝搬するガイド波のモード解析を行うことを目的としている。これまでに、著者等は内部に流体を満たした固体パイプを伝搬するガイド波の解析解、実験、軸対称FEMによる解析および、それらを応用した超音波流量計の開発等を行ってきた。中性子源の非破壊検査のモデル化として、媒質に有限の減衰値が存在するときの解析解も得ている。一方、ガイド波の一種である表面波は媒質面に液体(水)が存在すると、漏えい弾性波として伝搬することが知られている。漏えい弾性波の速度分散は漏えいしない弾性波の速度分散から変化する。そのため非破壊検査には重要な情報となる。パイプを伝搬する漏えいガイド波の解析はBrian Nicholas Pvlakovic氏の博士論文でなされていたが、その論文には誤りがあった。そこで、本年度はそれに取り組んだ。解析のターゲットは内部に静水を満たした外径6mm内径4mmのSUS管とした。その結果、減衰が無いガイド波と減衰があるガイド波のモードは完全に分離し、減衰が無いガイド波は従来の解析結果と一致することと、減衰があるガイド波は実験では検出できないぐらいに減衰が大きいことが示された。解析結果の検証は実験で行った。超音波探触子を用いて超音波を送受信した結果にウェーブレット解析を用いて周波数と群速度を得て、解析結果と比較したところ、減衰が無いガイド波の結果と一致し、漏えいガイド波の存在は確認されなかった。よって、来年度以降のこの研究の遂行において、漏えいガイド波の解析は不要であると結論付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初予定にはなかった漏えいガイド波の解析を行った。これも学術的には価値があると考えるうえに、その結果はこれまでの研究方針を堅持していけば良いという結論になった。また、実験結果およびその解析も上手くいった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初はシミュレーション主体にするつもりでいたが、実験での検証も可能と考えられるようになったので、より実験での検証に重きを置く方針に変更する。
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Causes of Carryover |
研究遂行の前提となる、ガイド波の分散曲線の解析において、漏えいガイド波の解析が必要になり、それを行ったため、当初の計画と異なる支出となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初計画ではシミュレーション主体とすることにしていたが、実験のウェイトを増やすことにしたので、実験装置の購入額が増える。計画立案時は超音波探触子による実験のみを予定していたが、新たにレーザー超音波法の適用も考えており、そのための光学部品等への出費を予定している。
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Research Products
(4 results)