2014 Fiscal Year Research-status Report
一様磁場中における平行二平板間電磁流体乱流の界面構造とその動力学の解明
Project/Area Number |
26390129
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 直也 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80547414)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳松 克則 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (70377802)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 乱流 / 電磁流体 / 磁場 / 磁気レイノルズ数 / 界面 / 直接数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
一様磁場中における低磁気レイノルズ数の電磁流体(MHD)チャネル乱流の理解は、高速増殖炉における冷却材や連続鋳造などで見られる液体金属の流れの制御に重要である。液体金属は不透明であり腐食性があるため、その流れの理解には、実験では測定が困難な物理量や構造までも得ることのできる直接数値計算(DNS)が有効である。 本研究では、低磁気レイノルズ数MHDチャネル乱流のDNSを実施し、チャネル内に界面現象が観察されるか検証を行った。DNSデータの可視化により、チャネル中央の領域では乱流変動が抑制され、壁面近傍に乱れた流れが局在する様子がわかった。このDNSデータの統計解析により、渦度の大きさや主流方向速度などの物理量が、壁近傍の乱流境界層の端で急勾配を持つことが明らかになった。この性質は、乱流後流、乱流噴流、境界層乱流のような非一様流体乱流に対してこれまで報告された乱流・非乱流界面の性質と類似するものである。また、MHD乱流特有の量であるジュール散逸も、境界層の端で急勾配をもつことがわかった。また、境界層の平均的厚さの現象論的な理論予測値と、DNSにより得られた厚さはよい一致を示した。 この界面現象は、MHDチャネル乱流における熱輸送や粒子の混合に重要な役割を果たすと考えられるため、今年度に得られた知見は、連続鋳造などの工学的分野にみられる液体金属の乱れた流れの制御や製品の品質向上などに有用と考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一様磁場中における低磁気レイノルズ数の電磁流体チャネル乱流コードを作成・実行し、データ解析を行うことができたため、順調であると考えられる。(磁場の方向は、チャネルの壁と垂直)
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度作成したコードには、熱の効果がとりいれらていないため、今後はその効果をコードに加える予定である。
|
Causes of Carryover |
26,033円を使いきることよりも、次年度の予算と合算することで、26,033円より大きな金額で、本研究で作成したデータを保存する大容量ハードディスクを効率的に購入できるため、繰り越しを行う。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度に作成した計算データを保存する大容量ハードディスクを購入する。
|