2014 Fiscal Year Research-status Report
ペタスケールコンピューティングによる乱流直接数値シミュレーションの最適化
| Project/Area Number |
26390130
|
|---|
| Research Institution | Kobe University |
|---|
Principal Investigator |
横川 三津夫 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (70358307)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 浩二 神戸大学, 計算科学教育センター, 特命助教 (50634648)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | 直接数値シミュレーション / 並列化コード / スーパーコンピュータ / エイリアス誤差除去 / 一様等方性乱流 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
境界壁を持たない乱流の中で周期境界条件を満たす最も規範的な非圧縮性乱流（カノニカル乱流）の振る舞いをシミュレーションすることを目的に，周期境界条件を課した３次元立方領域においてナビエ・ストークス方程式を解く２軸方向の領域分割による並列化直接数値シミュレーション（DNS）コードの定式化を行い，2軸並列のDNSプログラムを開発した．
空間離散化にはフーリエ・スペクトル法，時間積分には4段4次ルンゲ・クッタ法を用いた．スペクトル法特有の空間のエイリアス誤差に対しては，位相シフト法（phase shift法）と球状領域外の高モード打ち切りによるエイリアス誤差除去方法を用いた．
並列化は，OpenMPによるスレッド並列とMPIによるプロセス並列の両方を用いたハイブリッド並列化を行った．
2軸並列DNSプログラムの正常動作を確認するため，過去，地球シミュレータ上で開発した１軸並列のDNSプログラムと本プログラムを並列計算機システム（PRIMEHPC FX10）上で実行させ，1024の3乗の格子点でのシミュレーション結果が同じであることを確認した．本プログラムを用いて，8192の3乗の格子点，12288の3乗の格子点の世界最大規模のシミュレーションに着手した．また，本プログラムを高速化するための実行時間の計測を開始した．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画では，「周期境界条件を課した3次元立方領域において，ナビエ・ストークス方程式を解く2軸方向の領域分割による並列化DNSコードの定式化を行い，プログラム作成を行う」としており，当初の予定通り，2軸並列のDNSプログラムを完成させた．プログラムの妥当性については，既存の1軸並列DNSプログラムと比較する事により確認した．2軸並列のDNSプログラムが完成したことにより，並列度を大きくすることができ，スーパーコンピュータ「京」など大規模な実行環境において，これまで実行されていなかった8192の3乗以上の格子点に対する世界最大規模の乱流DNSに着手することが出来た．以上より，今年度の研究はおおむね順調に進展していると評価した．
|
| Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降は，これまで開発した2軸並列DNSプログラムをさらにチューニングし，シミュレーション時間短縮を図る．具体的には，プログラムのカーネル部分である3次元FFTに対し，FFTのグローバル通信をさらに局所化することを試みる．また，エイリアス除去のためのphase shift法について普通の系列と半幅だけ位相をシフトした系列の2つのFFT系列に対し，別々のMPIコミュニケータを割り当てる事により，並列度を上げ，実行時間短縮の可能性を探る．また，複数の計算機システム上で実行性能を計測し，評価を行う．
これと並行して，8192の3乗の格子点，12288の3乗の格子点の世界最大規模のシミュレーションを進展させる．
また，研究会や国内外の会議でこれらの成果を公表する．
|
| Causes of Carryover |
平成26年度に国際会議での成果発表を行うための旅費を計上していたが，平成27年度に発表することにしたため．
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に国際会議Parallel CFD2015での成果発表，及び国内外での研究成果の発表や情報収集を行う予定である．
|
Research Products
(1 results)
