2016 Fiscal Year Annual Research Report
Computation of boundary components of fundamental domains of symmetric cones and its application
Project/Area Number |
26400004
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
早田 孝博 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (50312757)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 球充填問題 / キス数 / 格子 / 基本領域 / エルミート定数 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究では、簡約的代数群である古典群に対し、その要素のキス数を定義し、キス数を求めるアルゴリズムの提案を行った。 あるベクトル空間上の二次形式または交代形式を考え、それから定義される直交群または斜交群を一般線形群の部分群として考える。ベクトル空間の格子を固定する。二次形式(交代形式)の等方空間との交わりも格子(これを部分格子ということにする)となっていると仮定すると、このとき、線形変換の高さは、部分格子の像の余体積と格子の余体積の次元調節付きの比で定義される。すべてのモジュラー変換による格子の移動のうち、最小の高さを密度という。各線形変換の密度のうち、最大密度のものを、その古典群のエルミート定数という。古典群として一般線形群そのものを考え、等方部分群として一次元部分空間を考えると、これは格子配置の球充填問題に帰着される。密度を与えるモジュラー変換のある同型類の数をキス数という。この研究では古典群のキス数を求めるアルゴリズムを、ジーゲルによる正定値対称行列のミンコウスキー領域における評価式と、ショートベクトルアルゴリズムを利用して作成した。 等方空間の次元が高いとランキン、クーランジェオンらによる4次元空間内のランキン定数の研究があるが、一般に研究成果が非常に少ない。これは高さが非ユークリッド的になることが要因で、ボロノイアルゴリズムが使えないことによる。この研究では、4次元空間上の斜交形式に付随する古典群のとき、全等方部分空間に関する高さに関するキス数の計算を上述アルゴリズムを用いて行った。結果として、A2型ルート格子の直積の場合のキD4型ルート格子の直積の場合のキス数8, およびルート格子でないキス数7のものの3種類の局所最大キス数を持つ格子を発見した。なおこの場合のエルミート定数はD4型ルート格子によって得られる。
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