2014 Fiscal Year Research-status Report
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26400006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 久義 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (50272597)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 一般化バルマ加群 / リー代数 / ユニタリ表現 / 微分不変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
半単純(あるいは簡約)リー代数の放物型部分代数の一次元表現から誘導された加群はスカラー型の一般化されたバルマ加群と言われ、この研究の究極の目標はそれらの間の準同型を分類することである。この問題は放物型幾何のモデル空間において線形の微分不変量である高次の山辺作用素の存在条件を求めることと同等であり、表現論や微分幾何などに応用があると期待されるものである。これまでの研究代表者の研究により、存在のための十分条件が得られており、それが必要条件にもなっていると予想されている。本年度はこれまでに引き続きこの問題に取り組んだ。複素一般線形リー代数 gl(n,C) にたいしては前年度までの研究により無限小指標が非特異という状況のもとで肯定的であることが確かめられていた。本年度の成果として特筆されることは無限小指標が非特異という仮定をはずし、一般的な状況で一般線形リー代数gl(n,C) にたいして予想を示したことである。手法としては無限小指標が非特異という状況で示したこれまでの手法(mediocre region でのtranslation principleの適用)を用いるものだが適用するにあたってはるかに複雑な議論が必要になる。この成果を論文にまとめ Hisayosi Matumoto, Homomorphisms between scalar Vema modules of {\mathfrak gl}(n, {\mathbb C}) arXiv:1404.5347 [math.RT] として現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究計画が目標としているスカラー型の一般化されたバルマ加群の間の準同型の分類問題は1970年代から研究されてきたにもかかわらずいまだにほとんど解けていないタフな問題である。一般線形リー代数の場合に分類が完成したことは大きな前進である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初てあんしている研究計画に従い、一般線形リー代数の場合に適用した手法が他の古典型リー代数でどこまで適用できるのか詳しく調べること、スカラー型で無い場合について準同型の空間の次元の上からの評価などを追求してゆく。
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Research Products
(1 results)