2017 Fiscal Year Annual Research Report
Arithmetic aspects of Mordell-Weil lattices of elliptic K3 surfaces
| Project/Area Number |
26400023
|
|---|
| Research Institution | Chuo University |
|---|
Principal Investigator |
鍬田 政人 中央大学, 経済学部, 教授 (00343640)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 数論幾何 / K3曲面 / 楕円曲面 / Jacobi多様体 / Mordell-Weil格子 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は、 K3曲面の中でも特にKummer曲面と関連した曲面上の楕円曲面の構造を分類し、そのMordell-Weil格子 をできるだけ詳しく記述することである。平成29年度は Jacobi多様体J(C)のKummer曲面Km(J(C))のｎ重被覆として得られる2種類のK3楕円曲面の族についてそのMordell-Weil群の生成元を求める問題に主に取り組んだ。 そのための最初の課題として n=3の場合のMordell-Weil群の定義体についての詳しい考察を行った。直積型のKummer曲面の場合にはMordell-Weil群の定義体とレベルｎ構造を備えた楕円モジュラー曲面の構造が密接な繋がりを持っていたので、その類似としてレベル3の構造を持った種数2の曲線のJacobi多様体（＝主偏極アーベル曲面）の族が重要な役割を果たすと予想した。そして、このようなJacobi多様体のモジュライ空間である3次元多様体とその上の普遍族をできる限り具体的に表示するという問題に取り組んだ。この問題は、我々の課題への応用だけでなく、それ自体としてもとても興味深い問題である。
平成2８年度までの研究で、このモジュライ空間を求める問題はE８型のMordell-Weil格子を持つ有理楕円曲面と関連づけられることが示されていたが，この有理楕円曲面はある種の有理楕円３次元多様体の制限として得られることも知られていた。この性質を用いてE_８型のMordell-Weil格子の生成元を求める問題をAbhinav Kumar氏の協力を得て解決し，レベル３構造を持つJacobi多様体のモジュライ空間を構成することに成功した。そして、これらの結果を論文にまとめる準備を進めた。
|
Research Products
(6 results)
