2016 Fiscal Year Research-status Report
暗号および符号に関連する数論的関数とゼータ関数の研究
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26400028
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
知念 宏司 近畿大学, 理工学部, 准教授 (30419486)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 線型符号 / ゼータ関数 / リーマン予想 / 自己双対符号 / 重み多項式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に符号のゼータ関数の研究を行なった。符号のゼータ関数は、1999 年にIwan Duursma によって発見されたもので、数あるゼータ関数の中でも大変歴史の新しいものであり、その意味で最先端のテーマである。また、情報理論への応用がある符号理論と、純粋数学である整数論で扱われるゼータ関数の両方が登場するという意味で、応用数学と純粋数学の境界領域にあり、大変興味深いテーマである。 筆者は10年以上前からこのテーマを手掛けているが、その過程で、符号のゼータ関数は、実在の符号が存在しなくても、重み多項式が与えられれば構成できることに注目していた。さらに、符号とは関連しないがほぼ平行に議論でき、類似の結果が成り立つような多項式の族が存在することもわかっていた。これは数論としてはまことに興味深い現象といえる。本研究期間中も、主としてこの側面に焦点を当てた研究を行なった。具体的には formal weight enumerator と呼ばれるある種の不変式、そして符号には関係しないが MacWilliams 変換で不変となる多項式に関するゼータ関数とそのリーマン予想に関する研究である。 この方向で、新しく興味深い事実がいくつか見つかった。まず一つは、新しい formal weight enumerator の系列が複数発見されことである。もう一つはそのリーマン予想に関するもので、ある種の系列に対しては Duursma が提起した問題とはやや違う現象が観察されたことである。さらに、一部の系列に関しては、不変式環としての構造決定も行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
期間中の比較的初期の段階で次の問題につながるよい発見ができたため、そこから新たな成果がまた生まれるという結果にもなり、大変実りの多い期間となった。これはまた、在外研究の機会により研究時間が大幅に増えたことにもよる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究期間に解決できなかったいくつかの場合をさらに探求し、符号のゼータ関数の本質により迫ることのできる成果を上げることが必要である。解決が見込まれる問題として、やや条件を緩めてパラメータの動く範囲を広くとった場合などが考えられる。それと並行して、本研究期間に得られた成果を論文にまとめるとともに、研究集会、学会等で発表し、他の研究者の意見を求め、さらなる問題の発見につないでいく計画である。
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Causes of Carryover |
本年度は在外研究の機会を頂き、研究に専念することができた。このため研究時間も大幅に増え、また研究費も書籍費を中心として大幅に節約できたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度に得られた成果の発表はまだまだこれからであり、研究集会や学会での成果発表旅費に主に使用する他、さらなる問題探索に向けての書籍購入費にも使用する予定である。
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Research Products
(1 results)