2016 Fiscal Year Research-status Report
高次元のdual hyperovalと関連する有限体上の関数
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26400029
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
谷口 浩朗 香川高等専門学校, 一般教育科(高松キャンパス), 教授 (60370037)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高次元双対超卵形 / 有限幾何学 / 有限射影平面 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度得られた結果は以下の通りである。 (1)昨年度私が可換な半体から構成した高次元双対超卵形について、その構成方法を拡張し、3個の半体(そのうち2個は可換な半体、もう一つの半体は可換で有る必要がない)から新たな高次元双対超卵形が構成できることを見いだした。さらにある仮定の下に3個づつの半体(全部で6個)から構成された2個の高次元双対超卵形が同型で有るための必要十分条件を見い出した。 すなわち、ある仮定(定数cが1でなく、また1つの高次元双対超卵形を構成する2つの可換な半体がイソトピックでない)のもとに、同型であるための必要十分条件は、2つの高次元双対超卵形を構成する可換な半体がそれぞれイソトピックであり、また可換でない半体についてもイソトピックまたは反イソトピック(積を逆順にしたイソトピック)になるという結果を得た。 さらに特にKantorの可換な半体およびAlbertの半体を利用して構成した上記の高次元双対超卵形について、非常に具体的な同型判定条件を与えた。これはJha, Jhonson, BiliottiによるAlbertの半体に関する詳しい研究(1999年)を利用している。(現在投稿中。) この構成法を3つ以上の任意個の半体にまで拡張しようと現在研究中である。 (2)Taniguchiの高次元双対超卵形といわれている、私が2009年に発見した高次元双対超卵形について、その構成の一般化を探求し今まで知られていなかった興味深い加法公式を持っている高次元双対弧といわれるものが構成できた。この構成について、3月に東京女子大学で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3個の半体から構成される高次元双対超卵形の構成を発見できた。またある条件のもとでその同型判定のための必要十分条件を与えることが出来た。 さらに、Kantorの半体やAlbertの半体の場合には非常に具体的な同型判定条件を見いだした。 さらに、現在Taniguchiの高次元双対超卵形といわれている私が2009年に発見した高次元双対超卵形についても、その構成の一般化を探求し今まで知られていなかった加法公式を持っている高次元双対弧が構成できた。 以上によって、研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
3個の半体から構成される高次元双対超卵形の構成方法を、任意有限個の半体を用いた構成にまで一般化し、その同型条件および性質を探求しようと考察を重ねている。また、興味深い加法公式を持った高次元双対超卵形の構成を現在研究している方針でさらに追求していきたい。また、高次元双対超卵形と一般の半体や慨体との関係の探求にも時間をかけていきたい。特に半体や慨体の研究者達が今回の私の成果に注目をしているようなので、今後連絡を取り合って研究について情報を共有していきたい。
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Causes of Carryover |
次年度の国際学会での発表に使用する予定の旅費が数万円不足する可能性があったため、繰り越しをすることにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在 9月にドイツのIrseeで行われる有限幾何学の国際会議「Fifth Irsee Conference」に招待され、講演を行う予定である。(この国際会議は招待された人のみが参加することの出来る会議である。)また3月にも国際会議で発表の予定があるため、それらの参加費用の一部として次年度使用額を使用する予定である。
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