2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400045
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
橋本 光靖 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (10208465)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 概主束 / 不変式環 / F有理 / n-canonical module |
Outline of Annual Research Achievements |
概主束の不変式論の応用のひとつとして初年度(平成26年度)に得られたF有理になるがF正則にはならない有限群の作用による不変式環について, 基礎となる部分を P. Symonds 氏との共著論文に, 残りの部分を単著論文として完成して投稿した。 また, canonical module や normal domain のランクが1の reflexive module を抽象化した n-canonical module について, 基礎となる環を非可換化して議論することにある程度であるが成功した。この議論を進めるにあたり, Cohen-Macaulay ではない場合の canonical module を非可換の状況に一般化して議論することが必要となり, ひととおりの基礎について研究してまとめた。以上を論文としてまとめ, 投稿中である。以上の内容については, 主催者のひとりとして世話役を務めた第37回可換環論シンポジウム, 講演者として参加した, ベトナム・ハロンで開かれた International Conference and the 8th Japan-Vietnam Joint Seminar において参加者の人たちと議論を交わした。非可換環の canonical module についていくつか疑問の点が出てきており, この点についてさらに1年かけて研究を重ねていくことを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数学面では予定していた通りの展開であり, きわめて順調に研究が進展していると言えるが, 研究成果を公表し, 意見を得てまとめていく, という点で, 初年度に大怪我をして旅行ができなくなった影響が出ていて当初の予定の通りに行っていない。怪我からは回復し、3月にはベトナムに行くことができたので、この面についても最終年度である平成28年度に向けて, 多少海外渡航を招聘に切り替える等の対策で研究遂行に支障が生じないよう対応可能な範囲となってきているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は最終年度であるので, 得られた成果を発表し, まとめることが主体となっていくが, 大学内での仕事の関係でエフォートが下がらざるを得ない状況である。n-canonical module の一般論について疑問が出てきているが, コンパクトにまとめる方向で対応し, 研究期間内に成果をまとめたい。
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Causes of Carryover |
代表者が 2014 年に大怪我を負い, 回復が遅れたために旅費の使用が予定通りにいっていないため, 次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度末にベトナムに行くなど, 怪我の回復は研究旅行に支障の無い範囲となってきており, 通常の使用ができるとともに, 研究者の招聘によってこれまでの成果のレビューを受けるなどすることによって, 繰り越した額も含めて使用する予定である。
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