2017 Fiscal Year Research-status Report
射影多様体のカステルヌボー・マンフォード正則量とシジジーに関連した話題の研究
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26400048
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮崎 誓 熊本大学, 教育学部, 教授 (90229831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 拓三 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20547012)
寺井 直樹 佐賀大学, 教育学部, 教授 (90259862)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 射影多様体 / Castelnuovo-Mumford / シジジー |
Outline of Annual Research Achievements |
射影空間において斉次な代数多項式の零点集合として定義される射影多様体の研究を進めています。射影多様体の定義イデアルの性質を代数的な立場で研究しています。定義方程式の関係式はシジジーと呼ばれ、古くから研究されてきており、Catelnuovo-Mumford 正則量はその複雑さを表す不変量であります。これが本研究のテーマです。今年度は、可換環論の立場で、Castelnuovo-Mumford 正則量の上限についての研究を進めました。射影多様体の中間次元のコホモロジー加群について、v-Buchsbaum 性という概念があります。これは、Cohen-Macaulay 性からその座標環がどの程度コホモロジー的に離れているか、を量る不変量であります。この概念に関連した線形v-Buchsbaum 性を用いて、正則量の上限の評価に関する従来の結果の拡張を得ました。局所環の標準パラメータ系は1980年代に盛んに研究されてきました。パラメータ系で割った環を考えることがある種のスペクトル系列内の写像を考えることに対応するということを用いて、1995 年に発表したHoa-Miyazaki の主定理の証明の見直しを行いました。結果的にこの結果を拡張した定理を得ました。この研究成果は、2017年9月にハノイにおける国際研究集会で講演を行い、論文にまとめました。また、ベクトル束の Horrocks 判定法についても、研究を進めました。主に、多重射影空間上でのコホモロジーについての考察を進めています。微分p形式の層が環論的にはBuchsbaum性に対応するということに基づいて研究を進め、Ulrich 束との関連についても進行中です。Horrocks のオリジナルな方法および Castelnuvo-Mumford 正則量を用いた方法の多重射影空間への適用についてまとめています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Castelnuovo-Mumford正則量の上限問題についての研究発表を行い、論文を投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
Castelnuovo-Mumford 正則量とベクトル束の分裂問題・Ulrich束について研究を進める。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせの回数が1,2回ほど予定より少なかった。次年度は研究打ち合わせに使用する。
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Research Products
(5 results)