2014 Fiscal Year Research-status Report
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26400050
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
加藤 文元 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (50294880)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リジッド幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、リジッド幾何学と、従来の代数幾何学や最近よく研究されているトロピカル幾何学などの諸幾何学どの関連性を探るための実験数学的な状況からスタートした。研究の基本的対象として今般俎上に載せることとなったのは、以前から研究の対象としてきた代数曲線のリジッド幾何学的軌道体であり、これらに関連した退化グラフのグラフ論的およびトロピカル幾何学的視点からの解析が主な主題である。これらの研究において重要であった手法・技術は以前から、および今般の研究遂行の過程において得られたものが数多くあり、これらはすでに出版が決まっている論文、および現在執筆中の著書・論文において順次公開する予定である。 なお、この実験数学的研究の遂行を潤滑に行うために、平成26年度経費の中から高性能計算機の購入と、それに付随したいくつかのソフトウェアの購入を行った。計算機の購入代金として418,392円、ソフトウェアの購入代金として44,702円を使用した。 また、上記研究遂行に関連した研究打ち合わせ等を行い、そのための旅費として合計で235,300円を使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は概ね、研究目的達成のための当初的な実験的研究による手法・技術の開発・彫琢に費やされることが予定されており、その意味での達成度はほぼ予定通りと言って良い。これらの達成事項はすでに出版されている、またはこれから出版を計画している著書・論文等で発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降の研究推進の方向は、交付申請書に記述した通り、(1) リジッド幾何学の専門家との活発な研究交流により、リジッド幾何学全般の基礎についてより深く考察することと、(2) トロピカル幾何学やBerkovich幾何学の専門家との交流によって、これらの理論との関連性を明らかにすることにある。そのため、平成26年度において中心的に考察された対象である代数曲線のリジッド幾何学的軌道体において実験的な解析によって得られた知見を、今度は一般のZariski-Riemann空間を俎上に載せることで、より深く解析していくことを目指す。
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Causes of Carryover |
年度末の図書購入において、納入が年度内に間に合わないことがほぼ確定している図書については購入計画を差し控えたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
基本的には、当初から購入を計画していた図書の購入にあてる。
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