2015 Fiscal Year Research-status Report
次数付超曲面上の極大コーエン・マコーレー加群に関する研究
Project/Area Number |
26400056
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
荒谷 督司 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (70613222)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 超曲面 / ゴーレンシュタイン環 / 極大コーエン・マコーレー加群 / 次数付き環 / 三角圏 / 安定圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度において、申請者は一次元次数付き超曲面上の極大コーエン・マコーレー加群のなす安定圏のシック部分圏の分類について研究を行った。また、第37回可換環論シンポジウムおよび第28回可換環論セミナーを世話人の一人として開催した。 超曲面はゴーレンシュタイン環の特別な場合であり、ゴーレンシュタイン環上の極大コーエン・マコーレー加群のなす安定圏は三角圏の構造を持つことが知られている。また、三角圏のシック部分圏の構造を調べる研究は最近非常に盛んにおこなわれている研究であることから、超曲面上の極大コーエン・マコーレー加群のなす安定圏のシック部分圏を分類することには大きな意義がある。申請者はA型およびD型の単純特異点を持つ場合において、グラフ理論を用いて完全な分類を与えた。この結果を名古屋大学の環論表現論セミナーや中国合肥の科学技術大学で行われた Mini-Work shop などで講演した。また、平成27年度8月にアメリカシラキュースで行われる研究集会でも講演をする予定である。 第37回可換環論シンポジウムは岡山大学の吉野雄二教授、橋本光靖教授とともに開催した。同シンポジウムは2015年11月18日から22日の日程で、岡山県倉敷市児島の倉敷シーサイドホテルに於いて開催した。今回は、Lucho Avramov 氏(Nebraska 大学 Lincoln)を招待講演者として迎えた。総勢57名の参加のもと27の講演が行われた。 第28回可換環論セミナーは奈良工業高等専門学校の飯間圭一郎講師、呉工業高等専門学校の平松直哉講師とともに開催した。同セミナーは2016年1月24日から27日の日程で、岡山理科大学50周年記念館多目的ホールに於いて開催した。総勢43名の参加のもと17の講演が行われた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A型およびD型の単純特異点を持つ一次元超曲面上の極大コーエン・マコーレー加群のなす安定圏のシック部分圏の分類を完全に与えることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
単純特異点を持つ次数付き超曲面と weighted projective line との関連を通して、weighted projective line 上のシック部分圏などを調べていく。一方で、可算型のコーエン・マコーレー環上の極大コーエン・マコーレー加群についても調べていく。
|
Causes of Carryover |
当初、第37回可換環論シンポジウムおよび第28回可換環論セミナーを開催することにあたり、その予算に充てる予定であったが、予想以上に経費が掛からなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は海外研修でアメリカのカンザス大学に派遣されることとなった。8月にはシラキュースで申請者の分野では世界最大級の研究集会が開催される。この研究集会や、日本で開催される研究集会など国内外を問わず多くの研究集会に参加し、研究発表を行うための旅費等に充てる。
|