2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400063
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三上 健太郎 秋田大学, その他部局等, 名誉教授 (70006592)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シンプレクティック多様体 / コホモロジー群 / ゲルファント・フックス / 目時類 / ポアソン構造 / 同次・斉次 / カシミール多項式 / ハミルトンベクトル場 |
Outline of Annual Research Achievements |
シンプレクティック空間の形式的ハミルトンベクトル場の成す無限次元リー環の相対ゲルファント・フックス(GF)コホモロジー群を重さを指定する毎に調べる方法を arXiv:1210.1662 on http://arXiv.org に公開している。 2次元, 重さ 22 までの情報の蓄積の一つの応用として, 重さ16の場合に目時類に関する森田茂之氏等の予想に肯定的な証明を与え, Journal Mathematical Society of Japan (日本数学会) (Vol. 68(1), 2016, pp.151--167) に An affirmative answer to a conjecture on the Metoki class (by K.Mikami) に発表された。 2次元で重さ 24 の場合, 全てのベッチ数を知るには次数6と7の余鎖複体間の余境界作用素の行列表現とその階数を決定すればよいとの状況に2015年3月に立ち至った。以来2台のWSをフル稼働して各行を求めている。行列型が (2887, 4281) で, 2887行中決定済みは約13ヶ月かけて1045行である。従って全体を入手するには現有戦力では後1年半ほどかかりそうである。 2015年秋頃からシンプレクティック空間の形式的ハミルトンベクトル場の GFコホモロジー理論をベクトル空間(奇数次元も可)の同次ポアソン構造(homogeneous Poisson structure)の多項式環あるいは形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環のコホモロジー群に自然に拡張するアイデアを得, 水谷忠良氏(埼玉大学名誉教授)とともに研究を始め, Cohomology groups of homogeneous Poisson structures (arXiv:1511.00199 on http://arXiv.org) に公開している。更に2015年度中は3度招待講演を実施した(内一度は中国での国際会議)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2次元斜交空間の重さ 24 の形式的ハミルトンベクトル場のゲルファント・フックスコホモロジー群の全てのベッチ数を知るには次数6と7の間の余境界作用素の行列表現とその階数を決定すればよいとの状態に2015年3月に立ち至った。以来2台のWSをフル稼働して行列を求めているが, 行列型が (2887, 4281) で, 2887行中決定済みは1045行である。従って全体を入手するには現有戦力では後1年半ほど必要である。 2次元, 重さ 22 までの余鎖複体の基底そして余境界作用素の具体形を把握している事の一つの応用として, 重さ16の場合に目時類に関する森田茂之氏等の予想に対する肯定的な証明を与え, それはJournal Mathemati cal Society of Japan (日本数学会) (Vol.68(1), 2016, pp.151--167) に An affirmative answer to a conjecture on the Metoki class (by K.Mikami) として発行され, これまでの研究方針や方向に確かな手応えを覚える。 2015年秋頃から斜交空間の形式的ハミルトンベクトル場のGFコホモロジー理論を線形空間(奇数次元も許す)の同次ポアソン構造(homogeneous Poisson structure)の多項式環あるいは形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環のコホモロジー群に自然に拡張するアイデアを得, 水谷忠良氏(埼玉大学名誉教授)とともに研究を始め, Cohomology groups of homogeneous Poisson structures (arXiv:1511.00199) として公開した。更に2015年度中は3度招待講演の機会を得(内一度は中国での国際会議), 参加者の反応も好意的で今後の研究の進展に期待が持てる。以上により, おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2次元シンプレクティックベクトル空間のウエイト 24 の形式的ハミルトンベクトル場のゲルファント・フックスコホモロジー群の計算は,次数6と7の余鎖複体間の余境界作用素の行列表現を求め, その階数を決定すればよいとの状態に2015年3月に立ち至った。それ以来2台のワークステーションをフル稼働して行列表現を求めている所であるが, 行列サイズが (2887, 4281) で, 2887行中決定済みは約13ヶ月かけて1045行である。従って全体を入手するには現有戦力では後1年半ほどかかりそうである。この状況を打破するには強力なワークステーションを購入したい所である。 2015年秋頃から水谷忠良氏(埼玉大学名誉教授)とともに始めたPoisson 構造のリー環コホモロジー群の研究「Cohomology groups of homogeneous Poisson structures (arXiv:1511.00199 on http://arXiv.org) に公開中」は2n次元シンプレクティック・ベクトル空間の形式的ハミルトンベクトル場のゲルファント・フックスコホモロジー理論を一般化した我々の独創であり, 研究すべき項目が多岐に渡る。第一発見者の有利さを生かして今後も研究を続ける。特に, 直積空間の場合にコホモロジー群に直積の性質が伝搬する様子を詳細に研究する予定である。
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Causes of Carryover |
進捗状況報告と今後の方策の部分でも説明したように, 本研究を強力に推進するには高性能のコンピュータ(ワークステイション)が望まれるため, 平成27年度は節約に努め, 平成28年度に可能な限り持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額が生じた理由を上記に説明した様に, 前年度の繰り越しと合算の上で高性能のコンピュータ(ワークステイション)を購入する事を計画している。合算した予算で購入可能なマシン性能を検討している。
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Remarks |
The relative Gel'fand-Kalinin-Fuks cohomology groups of the formal Hamiltonian vector fields on 6-dimensional plane (arXiv:1402.6834) or http://www.math.akita-u.ac.jp/~mikami/GKF_R6
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Research Products
(9 results)