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2016 Fiscal Year Research-status Report

複比とその仲間たち

Research Project

Project/Area Number 26400065
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

金井 雅彦  東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (70183035)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords複比 / シュワルツ微分 / 群作用 / 剛性
Outline of Annual Research Achievements

複比と密接に関係のあるシュワルツ微分を群作用の剛性問題に応用することが,本研究課題の大きな目的のひとつであった.それについては残念ながら研究は停滞している.そもそも,この計画はわたし自身が1990年代に行った研究に端を発する.その研究において,ある離散群の作用の局所剛性を証明した.後年,その研究のなかに,高次元シュワルツ微分が現れることを認識した.これを手がかりに,その先行研究において実現できなかった点を改良したいというのが,この研究計画であった.より具体的に言うと,わたしのかつての結果では,群が作用している球面の次元が十分大きいことを仮定する必要があった.しかし,これは過剰な仮定であることが知られている.その仮定を除去したいというのが,わたしの目指すところである.なぜ過剰な仮定が必要であったかの理由も理解しているつもりである.かつてのわたしの証明においては,そもそも与えられた球面への群作用をより大きな空間に持ち上げてそれを解析するということを行っている.その大きな空間には自然な葉層構造は備わっているが,2次元球面の場合のように自然な力学系は見出せない.しかし,より大きな空間に作用を望む仕方で持ち上げることができれば,そこには自然な力学系が定義されて,2次元球面の場合のようにそれを用いて目的を達成できると期待される.この計画を実現するための最大の困難は,より大きな空間に持ち上げた群作用(これ自体はすでに構成済みである)が固有不連続であることを示す点にある.これは純粋に力学系的問題である.そして,それが肯定的に解けることを主張する古い文献が存在するのだが,その証明が必ずしも信頼できるものではないようであるとの指摘を専門家から受けた.そこで,その古い結果の別証明を試みている,というのが現状である.今年度は力学系理論の専門家の力を借りて,この研究を完成させたいと望んでいる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

すでに述べた通り,計画が停滞している理由は,(わたし自身によるものではない)ある古い結果の証明に問題があるかも知れないという点にある.その結果によれば,ある条件を満たす固有な群作用は,少し摂動を加えても固有であり続ける.この種の主張の証明は,ヴェイユの古い定理の証明がそうであるように,かなりデリケートな議論を必要とする.わたしが必要とする主張は,ヴェイユの定理と比べてたとき,より注意を要する設定の下で述べられたものである.したがって,その証明においてもより入念な注意を払う必要がある.かなりの時間をかけて,間違いのないと思える証明をわたし自身で与えようとしているのであるが,完全に正しいと確信できる証明を得るには至っていない.ところで,わたしの必要とする主張は,純粋に力学的理論的なものであり,わたしが専門とする分野ではないことが,なかなか進展が得られないもうひとつの理由であることも認める.

Strategy for Future Research Activity

力学系理論の専門化との共同研究を行うことを検討している.

Causes of Carryover

研究が完成していないことが理由である.

Expenditure Plan for Carryover Budget

主に旅費として使用する予定である.

URL: 

Published: 2018-01-16  

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