2016 Fiscal Year Annual Research Report
Progress in geometric mechanics and topological study of quantum systems
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26400068
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
岩井 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 名誉教授 (10021635)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | チャーン数 / スペクトル流 / ディラック作用素 / バンド構造 / エネルギー運動量写像 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
「半量子系の対称性とトポロジー」を主題に研究を続けてきた。半量子系とは、量子力学的力学変数(作用素)の一部を古典力学的な変数で置き換えるという手続きで得られる実効的な力学系である。具体的には球面上で定義されたパラメータ付きのエルミート行列を半量子系のハミルトニアンとして取り扱っている。ハミルトニアンの固有値に重複がなければ、それに付随する固有空間から球面上の複素直線バンドルが構成できる。パラメータの変化に伴って固有値に一旦重複が生じて再び重複が解消するときチャーン数に変化が現れる。その変化は固有値の縮退する点でハミルトニアンを線形化することで、そのハミルトニアンに付随するある種の写像度として捉えることができる(ホモトピー不変性)。この証明を述べた論文が漸く出版の運びとなった。チャーン数の変化に関わる半量子系の線形化ハミルトニアンには量子系ではディラック作用素が対応する。２次元ディラック作用素の境界条件のもとでのエネルギー固有値の変化が一般化スペクトル流として捉えられ、球面上の半量子系のチャーン数の変化にピッタリ対応する。半量子系から量子系の向かうのとは反対に古典系へと向かう研究も行った。半量子系ではまだ量子力学的変数と見なしていたものを古典力学的な変数に置き換えると、２個の球面の直積の上で定義される古典ハミルトン力学系が得られる。元の量子系に軸対称性がある場合には、エネルギー運動量写像が定義でき、半量子系のチャーン数の変化に対応して、この写像にモノドロミーが現れる。また、エネルギー運動量写像の格子量子化の結果は、元の量子系のエネルギー運動量スペクトルと実質的に一致し、パラメータ変化に伴うバンド構造の変化もよく説明できる。
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