2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小磯 憲史 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70116028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川久保 哲 福岡大学, 理学部, 助教 (80360303)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 重調和超曲面 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き弾性曲線の発展方程式と可積分系との関係で,それを高次元化した定常解である重調和部分多様体を研究した.Riemann 多様体 (X, g_X) から Riemann 多様体 (Y, g_Y) への写像 f の張力ベクトル場を τ とする.τ のノルムの 2 乗積分によって定義される変分問題の解 f を重調和写像という.これは弾性曲線を定義する弾性エネルギーの多次元版である.とくに,X が Y の部分多様体で g_X が g_Y の導入計量であるとき,X を Y の重調和部分多様体という. 昨年度は主曲率が全く重複しない場合の一般的な定理を得た.今年度はその結果を拡張し,重複がある場合に次の定理を得た. M を n+1 次元 Euclid 空間の重調和超曲面とする.すると,τ を平均曲率(主曲率の和)として -τ/2 は主曲率になるので,それを n 番目の主曲率 λ_n とする. n+1 次元 Euclid 空間の超曲面で,主曲率の重複度がすべて等しく,各主曲率に対応する主曲率ベクトル場 v_i が次の意味 (*) で十分に曲がっているならば,それは極小超曲面である.条件 (*): 互いに異なる主曲率に属する任意の i, j, k < n について g(∇_{v_i}v_j, v_k) ≠ 0 が成り立つ. ただし,この条件 (*) は "τ = 定数 c" で定められる M の特性超曲面 F_c の「正規直交枠 {v_i}_{i<n} が既約」というもう少し弱い条件に置き換えることが出来る.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に得られた定理は B. -Y. Chen の予想に対して十分に強い肯定的な結果であった.今年度はその結果を更に一般化できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,弾性曲線の発展方程式の研究と共に,重調和部分多様体の研究を進める.重調和部分多様体については,帰着された常微分方程式の解の挙動について低次元の場合の解析を試みる.
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Causes of Carryover |
今年度の研究は Euclid 空間における重調和超曲面の一般的な場合を取り扱った.低次元の場合などはより精密な判定が可能であるので,その部分を完成させたい.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在までに得られた結果とその拡張を研究集会などで発表する. その準備および旅費として使用する.状況によっては,一部を機材購入費に充てる.
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Research Products
(3 results)