2014 Fiscal Year Research-status Report
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26400078
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 雅朋 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80431302)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 特異点論 / 微分幾何学 / 曲線論 / ルジャンドル曲線 / 球面曲線 / 縮閉線 / 双曲空間 / ド・シッター空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
微分幾何学の特異点論的研究とその応用として、 1.特異点を許容する空間曲線の微分幾何学の研究を行い、枠付き曲線の定式化と縮閉線の定義や性質を調べました。枠付き曲線から決まる動標構と曲率を与え、正則曲線やルジャンドル曲線と同様に、枠付き曲線の曲率に関する存在と一意性を示しました。また、枠付き曲線の性質や具体例を構成しました。さらに、枠付き曲線の縮閉線を定義し、縮閉線が再び枠付き曲線になることを示し、繰り返して得られるn階縮閉線の式を求めました。縮閉線の性質を調べましたが、まだ幾何学的意味が十分ではありませんので、引き続き研究を行う予定です。 2.特異点を許容する平面曲線の微分幾何学の研究を行いました。すでに得られているルジャンドル曲線の曲率を用いて、曲線の性質として単純閉フロンタルに対して凸である必要十分条件を求めました。 3.特異点を許容する球面曲線の微分幾何学の研究を行いました。空間曲線の縮閉線は球面内の良い(少なくても生成的な)曲線に対しては点になるので、球面内の特異点を持つ曲線の縮閉線の研究を行いました。球面ではルジャンドル双対性がありますので、この性質とルジャンドル曲線の曲率を用いることにより、フロントだけではなくフロンタルに対して縮閉線の定義を行い、幾何学的な性質を求めました。 4.特異点を許容する双曲空間内とド・シッター空間内の曲線に対して研究を行いました。ここでは、2つの双対性がありますので、ルジャンドルはめ込みの曲率を用いることにより空間的フロントと時間的フロントに対して、縮閉線を定義し性質や関係性を求めました。 5.Dnの幾何構造に付随する性質と接線曲面の研究を行い、生成的な特異点の分類を行いました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度の研究目的と研究計画において、特異点を許容する曲線の微分幾何学に対しては、空間曲線に対して枠付き曲線の研究を行い、平面曲線に対して微分幾何学的な結果が得られましたので、順調に進展しています。特に、特異点を許容する球面曲線、双曲空間、ド・シッター空間など、ユークリッド空間だけではなく別の空間形に対しても新たな視点からの研究を行い成果を得ました。 一方、特異点を許容する曲面の微分幾何学に対しては、研究中であり、多少の進展は有りますが、まだ問題点がありますので、この点に関しては来年度以降の課題となります。 また、幾何構造に付随する特異点の研究を行い、接線曲面の生成的な特異点の分類を行いました。
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Strategy for Future Research Activity |
特異点を許容する曲線の微分幾何学に関しては、空間曲線の縮閉線の研究を詳しく行い、微分幾何学的な性質を明らかにします。また、引き続き様々な空間に対する特異点を許容する曲線論の性質を研究します。特異点を許容する曲面の微分幾何学に関しては、問題点を整理し、うまくいかない場合は、特異点を持つ具体的な例に対して性質を調べ、一般論の構築を目指します。そのため研究集会等において専門家との意見交換、研究打合せを行います。新たに、微分方程式への応用や特異点を許容する曲線の位相不変量の研究も行います。
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Causes of Carryover |
27年度に日本にてオーガナイザーの一人として国際研究集会「Singularities in Generic Geometry and its Applications」を開催することになり、そのために次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際研究集会に国外・国内の方を呼び、講演、研究打合せを行う予定です。その研究集会の補助として旅費、謝金、その他を計上します。 また、共同研究者との研究打合せ、国内・国外の研究集会に参加・講演、意見交換、研究打合せを行い、研究を推進するために旅費を計上します。さらに、図書費として物品費を計上します。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Singularities of curves2014
Author(s)
Masatomo Takahashi
Organizer
Workshop on Singularities, Geometry, Topology and Related Topics
Place of Presentation
Northeast Normal University, Changchun, China
Year and Date
2014-09-01
Invited
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