2015 Fiscal Year Research-status Report
距離空間における漸近次元・位相次元及び計算可能モデルの位相構造
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26400089
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
服部 泰直 島根大学, 学内共同利用施設等, 学長 (20144553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 忠之 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 講師 (70467447)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 位相空間 / 次元論 / Khalimski直線 / ドメイン / リバーシブル空間 / Sorgenfrey位相 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者の服部は、海外研究協力者のV.Chatyrko准教授(Linkoping大学,スウェーデン)を8月11日~8月22日の間、島根大学に招聘し「計算理論に現れる位相構造と位相次元」に関する共同研究を行った。さらに、服部とChatyrkoは、海外研究協力者のSang-Eon Han教授(Chonbuk国立大学, 韓国)と共同で、ディジタル直線が持つリバーシブル性に関する研究を進め、第1可算Hausdorff空間および、局所有限空間における継承的リバーシブル性の特徴付け等に関する結果を得た。 服部は8月に神奈川大学において開催された国際会議「集合論的位相数学とその応用」に組織委員として会議運営に携わるとともに、連結メタリンデレーフ空間がリンデレーフ空間になる十分条件に関する発表を行った。さらに、服部は11月に中国のMinnan師範大学において開催された「第1回環太平洋位相数学とその応用国際会議」において、Sorgenfrey位相と密接な関係にある実数直線上の様々な位相とリバーシブル性に関して招待講演を行った。これらの会議には、海外研究協力者であるJ.van Mill、V.Chatyrko, S.-E.Han, J.Lawson等も参加しており、会議期間中を通じて研究連絡や情報収集を行った。 また、服部は8月にNipissing 大学(カナダ)からの招待を受け訪問し、M.Tunkali教授、V.Valov教授等と次元論に関する研究連絡を、そして、11月に中国のShantou大学で開催された国際ワークショップにおいて招待講演を行うとともに、Z.Yang(Shantou大学)、J. Lawson(Louisiana 大学)等とドメイン理論のトポロジーへの応用に関する研究連絡を行った。 研究分担者の渡邉は、モース理論に関する研究を進め、国際研究集会を含む5件の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の服部は、主要な海外研究協力者であるV.Chatyrko准教授(Linkoping大学、スウェーデン)を島根大学に招聘し「計算理論に現れる位相構造と位相次元」に関する共同研究を行った。また、他の海外研究協力者であるJan van Mill教授(Amsterdam大学、オランダ)、Jimmie Lawson教授(Louisiana大学、アメリカ)やSang-Eon Han教授(Chonbuk国立大学、韓国)等とは、同席した国際会議等の機会を利用しながら研究連絡を取ることにより、研究を進めてきた。また、服部は国際会議に3回出席するとともに、1件の海外大学訪問を行う等、海外の一線の研究者と直接会い、議論しながら研究連絡を行い、さらに、直近の研究動向を収集するなど、国際的に良好な研究環境のもとで研究を進めた。 平成27年度は、服部と渡邉はともに1編ずつの論文を学術雑誌に発表するとともに、海外での国際会議における招待講演2件を含む8件(服部(研究代表者)3件、うち2件が国際会議における招待講演、渡邉(研究分担者)5件)の口頭発表を行うなど、本研究はおおむね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、当初の予定通り距離空間と一般の位相空間における次元論、および、ドメイン理論の位相空間への応用やこれらに関連する位相的性質の研究を進める。研究代表者の服部は、海外研究協力者のV.Chatyrko准教授(Linkoping大学、スウェーデン)やJ.van Mill教授(Amsterdam大学、オランダ)等との共同研究を中心に次元論に関する研究を進める。今年度は、服部はV.Chatyrko准教授からのLinkoping大学への招聘依頼があり、それを受けて8月に10日間ほどLinkoping大学を訪問する予定である。その機会を利用して、Chatyrko氏とセミナー等を行い、直接、議論しながら共同で研究を進める。また、服部は、6月に韓国のChonbuk国立大学において開催される国際会議に招待されているので、当会議に出席して研究成果を発表するとともに、Sang-Eon Han教授と研究連絡を行う予定である。 服部は、昨年4月に学長職に就き、昨年度は大学経営の業務多忙のため研究時間を確保することが厳しい状況となりながらも、国際会議への出席の機会等を利用しながら、海外研究協力者の協力のもとで研究を進めてきた。今年度についても同様な状況になることが予想される。そこで、本年度も国内の研究集会や海外における国際会議等に出席する機会を有効的に活用しながら、研究協力者との連絡を密に取り研究を進める。
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Causes of Carryover |
27年度は次元論において世界の一線で活躍しているM.Charalambous教授(エーゲ大学、ギリシャ)を島根大学に招聘して次元論に関する共同研究を行う予定であったが、Charalambous氏の体調不良のため、招くことができなくなった。そこで、海外研究協力者のV.Chatyrko氏を島根大学に招聘した。Chatyrko氏については、当初、彼が神奈川大学における国際会議に出席するために来日した際に島根大学に招聘する予定であり、その滞在費を準備していた。経費的には、Charalambous氏の代わりにChatyrko氏を招聘したことになり、支出を予定していたChatyrko氏の滞在費分が当初の予定経費との差額として生じた。また、外国専門図書も購入する予定であったが、27年度においては研究に直結する図書の出版がなかったため、購入しなかったため残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、服部が韓国の全北大学校(6月)及び釜山大学校(12月)において開催される国際会議に出席する予定であり、そのための旅費として使用する予定である。また、できれば、次元論、ドメイン理論における研究者を海外から招き、共同研究を進めたく考えている。 また、10月に開催される京都大学数理解析研究所研究集会「集合論的・幾何学的トポロジーとその応用」、及び、12月に筑波大学において開催予定の国内研究集会「General Topology Symposium」に出席し、研究成果を発表するための出張旅費として使用したいと考えている。さらに、出張先での研究連絡等で必要となるノート型パソコンや研究用の外国専門図書を購入する予定である。
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