2018 Fiscal Year Research-status Report
距離空間における漸近次元・位相次元及び計算可能モデルの位相構造
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26400089
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
服部 泰直 島根大学, 学内共同利用施設等, 学長 (20144553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 忠之 島根大学, 学術研究院理工学系, 講師 (70467447)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 位相空間 / 距離空間 / ドメイン / 次元論 / 形式的球体 / Sorgenfrey位相 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の服部は、海外研究協力者のVitalij Chatyrko准教授 (Linkoping University, Sweden) を6月22日~28日に島根大学に招聘し、位相空間における次元論について研究連絡を行った。服部は、また、計算可能理論の数学的アプローチの研究のため、Dong Sheng Zhao教授(南洋理工大学、シンガポール)の招きにより、11月28日~12月1日に南洋理工大学を訪問し、数学教室主催のセミナーにおいてドメインの位相構造と順序構造の関連性等、ドメイン理論の集合論的トポロジーへの応用に関する講演を行うと共に、同教室の他分野の研究者と意見交換を行った。そして、Zhao教授と一様空間とドメイン構造に関する研究連絡を行った。また、服部は中国の南京大学において5月24日~26日に開催された「Symposium on General Topology 2018」において招待講演を行うと共に、南京大学のWei-Xue Shi教授やYin-Zhu Gao教授等と順序位相空間に関する研究連絡を行った。さらに、服部は7月7日~11日にギリシャで開催された国際会議において、Chatyrko准教授とHan教授(全北大学、韓国)との共同研究の成果として「The small inductive dimension of subsets of Alexandroff spaces」に関する招待講演を行うと共に、同会議に出席していたDranishnikov, Banakh, Slapal等の研究者と漸近次元、位相次元、計算可能性理論に関する研究動向について意見交換・情報収集を行った。 分担研究者の渡邉は、低次元多様体におけるホモトピー群に関する研究成果を国際学術雑誌に1編公表すると共に、日本数学会2018年度秋季総合分科会での特別講演を含む4件の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の服部は本経費採択後の平成27年4月から学長職に就き、それ以降大学運営のための業務で多忙となり、十分な研究時間の確保が困難な状況となった。平成30年度はより強く大学改革が求められ大学運営の業務が一層多忙となったこともあり、研究の進捗に遅れが生じた。このような状況において、服部はこれまで海外研究協力者のVitalij Chatyrko 准教授 (Linkoping University, Sweden)とは国際会議で同席した機会を活用し、また、両者が相互に訪問しあうなどして、そして、Sang Eon Han教授(全北大学、韓国)やDong Shen Zhao教授(南洋理工大学、シンガポール)とは彼らの招きに応じて全北大学や南洋理工大学を訪問するなどして、位相空間の次元やドメイン理論に関する国際共同研究を進めてきた。これらの国際共同研究の成果として、Chatyrko氏やHan氏との共著論文として3編の論文を学術雑誌に発表し、11件の国際会議における研究発表を行った。平成30年度は学術雑誌に公表するまでの成果は得られなかったものの、海外での国際会議において2件の招待講演を行った。また、Vitalij Chatyrko 准教授 (Linkoping University, Sweden)を島根大学に招聘し、また、Dong Shen Zhao教授(南洋理工大学、シンガポール)の招きに応じて南洋理工大学を訪問するなど、国際共同研究を実施した。 研究分担者の渡邉は、平成30年度には国際学術誌に1編の論文を発表し、かつ、日本数学会2018年度秋季総合分科会における特別講演を含む4件の研究発表を行った。 以上より、研究は一定の程度進められているものの、進捗はやや遅れている、と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究期間の延長が承認されたことによる本研究課題の最終年度であり、研究の進捗を図ると共に本研究課題の総括を行う。服部は昨年度に引き続き、Vitalij Chatyrko准教授(Linkoping University, Sweden)とDong Shen Zhao教授(南洋理工大学、シンガポール)との国際共同研究を進める。今年度、服部はChatyrko准教授からの招聘によりLinkoping Universityを訪問する予定であり、彼と直接研究討議を行うことにより位相空間や位相次元の研究を進める。また、Dong Shen Zhao教授とは、6月に中国の揚州大学において開催される国際会議に両者が出席する予定であるので、その機会を活用するなどして研究連絡を行う。また、上記の揚州大学における国際会議には、Jimmie Lawson教授 (Louisiana State University, USA)や Aching Jung 教授(University of Birmingham, UK)等、計算理論、ドメイン理論に関する国際的トップレベルの研究者が出席予定であり、彼らを含めた専門家による本研究に関する総括としてのレビューを受ける。また、11月に中国の四川大学において開催されるトポロジーに関する国際会議「第3回パンパシフィックトポロジー国際会議」では、服部は国際学術諮問委員及び、組織委員として出席する予定であり、研究成果の発表を行うと共に海外研究協力者のSang-Eon Han教授(全北大学校、韓国)やWei Yao准教授(河北科技大学、中国)等、この会議の出席者と位相空間における次元、距離空間における漸近次元や計算可能性理論及びドメイン理論等、幅広く最近の国際的な研究状況について情報収集を行い、次のステップにつながる研究の方向性を検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)学長としての大学運営業務のため多忙であり、研究の進捗にやや遅れが生じた。そのため、昨年度に研究期間の延長申請を行い、延長が承認され、今年度が最終年度となる。残額が生じた理由としては、大学運営業務のため多忙であり、日程調整が難しく当初出席予定であった国内の研究集会や学会に参加できなかったこと、また、昨年度、南京大学やギリシャにおける国際会議に出席した際に、主催者側が滞在費等の負担をしてくれるなど当初予定していた旅費に残額が生じたことがある。さらに、ノート型パソコンについても緊急性が薄れたため購読を控えたことなどにより、使用残額が生じた。 (使用計画)2019年度は、服部が海外研究協力者のVitalij Chatyrko准教授から招聘されており、Linkoping Universityを訪問して研究連絡及び本研究課題の総括について討議する。また、中国の揚州大学で6月にドメイン理論に関する国際会議「第8回ドメイン理論国際シンポジウム」、そして11月に中国の四川大学で開催される国際会議「第3回パンパシフィックトポロジーとその応用国際会議」に出席して研究発表と情報収集及び、本研究のレビューを受ける予定であり、これらの会議に出席するための旅費に使用する予定である。さらに、できれば、国内学会、研究集会における成果発表や情報収集のための旅費としても使用したいと考えている。
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Research Products
(11 results)