2015 Fiscal Year Research-status Report
楕円代数を対称性にもつ可解模型の自由場表現による研究
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26400105
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小島 武夫 山形大学, 理工学研究科, 教授 (80307800)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 量子群 / 超代数 / 自由場表現 / 可積分系 / スピン鎖 / Boundary Yang-Baxter 方程式 / 脇本表現 / 熱力学的極限 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子XXZスピン鎖を体積無限大で考察した。対称性は量子超代数Uq gl(N|N)^とし、境界条件はBoundary Yang-Baxter 方程式の対角一般解により定めた。基底状態を、自由場の2次式を指数関数に載せたものを真空ベクトルに作用させることで構成した。想定外の事態として、dualな基底状態は同様の方法では構成できないことが明らかになった。これには完全に新しい何かが必要である。戯れに退化した対称性であるUq sl(N|N)^のVertex operatorを用いて同様の計算を行えば、dualな基底状態の類似物が構成できる。勿論これは正しものではなく、実際、相関関数を形式的に計算すると発散量になる。Uq sl(M|N)への一般化は全く自明ではないことが再認識された。このため、一般のレベルkの自由場表現である脇本表現をUq sl(M|N)^に対して考察し、Uq sl(1|2)^の構成に成功した。かって2012年にUq sl(N|1)^の場合の構成に成功しており、この出版済みの結果と合わせることで、Uq sl(M|N)^の脇本表現の構成を射程に収めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
一般のレベルの自由場表現である脇本表現の実現という、当初の想定を超えた場合にまで研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より高位のアフィン対称性において模型を考察したい。とりわけ、D型の対称性において、一連の基底状態の構成法が適用可能なのかを見極めたい。また近年発展が著しい量子トロイダル代数の進展を取り入れたい。具体的にはBethe 仮設法から入る。
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Research Products
(3 results)