2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26400108
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松井 宏樹 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40345012)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 作用素環 / 群作用 / 極小力学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
単位元を持つ可分単純核型C*環をK群やKK理論によって分類することをめざすElliottプログラムは、今世紀に入ってから飛躍的な進歩を遂げている。中でも、どのようなC*環がそのような分類理論の範疇に入り得るかを適切に特徴づけるという問題が、近年多くの研究者によって盛んに研究されている。また、環そのものの分類の他にも、環への群作用の分類についても、活発に研究が進められている。具体的には、Kirchberg環・UHF環・Jiang-Su環などへの群作用の分類理論が徐々に構築されつつある。 デンマークのコペンハーゲン大学は作用素環論の世界的な研究拠点の一つである。8月に3週間ほどコペンハーゲン大学のRordam教授を訪ね、C*環の分類理論とその周辺について研究情報の交換を行った。ちょうどその時期に、ミュンスター大学のWinter教授を中心とするグループが、C*環の分類理論に関して極めて重要な結果をアナウンスしたが、この進展に関しても議論することができた。10月に新潟県で行われた「作用素論・作用素環論研究集会」にも参加し、国内の研究者と、作用素環論周辺の様々な問題について多角的な研究討論を行った。 カントール集合上の極小力学系から生じる位相充足群についても研究を進めた。6月にパリで行われた離散群論の研究会に参加し、位相充足群に関する研究成果を講演で発表した。特に、ホモロジー群・K群・位相充足群のアーベル化にかかわる二つの予想を定式化した。有限型サブシフトの有限個の積から生じる位相充足群について研究した。特にこのケースでは、私が定式化した二つの予想が成り立つことを確認した。2月に京都大学数理解析研究所で行われた研究会で、この成果を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飛躍的に研究が進展したわけではないが、これまでのところ想定外の困難が発生していることもなく、着実に推移していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に、国内外の研究者と適切に連携を取りつつ、幅広い視点から情報を収集するようにつとめる。これまでの研究姿勢を維持し、多角的観点から本研究課題を推進していく。
|
Causes of Carryover |
航空券などの出張旅費の見積もりの誤差の影響で若干の余剰が発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内で大きな研究プログラムが予定されており、まとまった額を旅費として使用する予定である。
|