2015 Fiscal Year Research-status Report
行列係数を持つ微分作用素の作用素解析とスペクトル解析
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26400117
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
廣川 真男 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70282788)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | Rabi 模型 / 量子相転移 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は，非可換調和振動子の模型の一つとみなせる，量子Rabi模型の持つ量子相転移の可能性を次のように探った。原子の２準位遷移振動数と光子の振動数を一致させたとき，結合定数がゼロの場合，量子Rabi模型は超対称量子力学を記述する数理模型となっているが，結合定数を大きくした極限では，元の超対称性が自発的に破れる数理模型となっていることを証明した。この収束は弱収束の意味であるが，この収束する位相を強くできるかは今後の課題である。また，この自発的破れはスピン・カイラル性によるものであることも証明した。この過程で，スピン・カイラル性がPreparataが主張する量子相転移を見せる可能性があることも分かって来た。
１つの接合部に２本の細線が繋がった(１次元ユークリッド空間から接合部分をブラック・ボックスとして扱い抜き去った配位空間からなる)量子情報デバイスの数理モデルに対し，Landauer-Buettiker公式を用いて，量子力学的粒子が接合部を通過するトンネリング・カレントを計算した。これらは，boundary tripletの理論を応用したものである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予期していなかった結果が得られた反面，予定通り進展していない部分もあるため。非可換調和振動子の模型の一つとみなせる量子Rabi模型に対し，量子相転移の兆候として，結合定数を大きくるすと結合定数がゼロでN=2超対称量子力学を記述する数理モデルが，結合定数無限大という漸近的状況で，その超対称性が自発的に破れる数理モデルへと収束することを示せたことは想定外の収穫である。反面，boundary tripletの理論を発展させる上で幾何学的問題にぶつかり，その解決に時間を要している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度見つけた自発的超対称性の破れへと向かう過程に何らかの量子相転移が起きていないかを調べる方向を強化する。
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| Causes of Carryover |
海外から招聘を予定していた研究者が来日できなくなったため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度来日できなかった海外招聘者を次年度に招聘する。
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