2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400124
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
古谷 賢朗 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70112901)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Grushin作用素 / pseudo H-type algebra / Clifford algebra / sub-Laplacian / bi-characteristic flow / isospectral manifold / modified Bessel function / heat kernel |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 高次ベキ零Lie群に付随するGrushin作用素の基本解の具体的な積分表示を昨年度とは別の方法で構成したが、この方法でも変形Bessel関数が重要な役割を果たしていることが理解できた。前年度の方法と合わせて古典的な特殊関数の新たな意味と役割を見い出した。 (2) pseudo H-type Lie algebraにはいつもlatticeが存在することを、自由ベキ零Lie環との関係で示したが、その方法は組み合わせ論とも関係し、更なる応用もあると期待出来る。更にこのLie環に対するベキ零Lie群のlattice によるnilmanifold上のsub-Laplacianの固有値とそのspectral zeta関数を次元が低い場合に具体的に決定した。これはこのnilmanifold全てに対する具体的決定のための予備的な研究であり次年度には完成し、isospectral non-diffeomrphic manifold の無限個のpairの存在を証明出来ると期待している。 (3) pseudo H-type Lie algebra の分類を完成した。 (4) Riemann submersionの場合の全空間と底空間の測地流の第一積分や完全可積分性の相互関連の類似として、submersionに付随して互いに関連する sub-LaplacianとGrushin type 作用素のbi-characteristic flowの第一積分と、(量子)完全可積分性についての一般状況を理解するため、今年度は次元が低い具体例についての結果を得たが、次年度さらに研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初に解決を計画した問題の多くが既に解決して論文として前年度、今年度と順調に出版できた。[研究実績の概要]の項の(1),(2)の結果は出版済み(合わせて3編)で、(3)の結果をまとめたもの(1編)は投稿中、(4)の結果をまとめたもの(1編)はacceptされている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度であるが、すでに多くの結果を得ているので残りの問題を解決し、本研究の成果をもとに次に続く研究の準備となる研究もはじめる予定である。
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Causes of Carryover |
(1) 2015年8月から10月にかけて、Norway Bergen 大学に一ヶ月とGermany Leibniz University of Hannoverに約二週間滞在したが、宿泊費がすべて先方負担だったのと、その後は大学業務のために年度末近くまで出張ができなかったので次年度使用額が生じた。 (2) computerを買う予定であったが、今年度は取りやめた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主な使用計画:(1) 編集用に新しいcomputerが必要となったので購入する。(2) 共同研究のためにデンマークのRoskilde大学(Roskilde)に一週間滞在し引き続いてドイツの Leibniz University of Hannover(Hannover)に三週間程滞在(7月を予定)する。(3) ドイツPotsdam大学(Potsdam)に三週間程滞在(2017年2月-3月を予定、滞在中国際研究集会の共同開催を予定している)するのに使用する予定である。(4) 台湾の国立台湾大学(台北)にも二週間出張して、研究発表と共同研究を行うために使用する(5月を予定している)。(4) アメリカから共同研究者を招聘する(一週間程度で滞在費のみ補助予定、時期は先方の都合により決める)。
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