2014 Fiscal Year Research-status Report
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26400128
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
小谷 眞一 関西学院大学, 理工学部, 教授 (10025463)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | KdV方程式 / 力学系 / Weyl関数 / Darboux変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
佐藤のグラスマン多様体の方法によるKdV方程式の構成法をWeyl関数で眺めるとDarboux変換の無限回の繰り返しになることを発見した。今のところこの収束はかなり特殊な初期関数でしか示せていないが、もっと一般の初期関数に対して収束することが期待される。KdV方程式の解に対してDarboux変換を施せば新しい解が得られることはよく知られていたが、初期関数から出発して無限回のDarboux変換により解を構成する方法は新しいと思われる。これはKdV方程式の研究にWeyl関数を用いることの重要性も示唆している。このことについては12月のランダムスペクトルの研究集会で発表した。 Darboux変換の特別の場合はKreinによりストリングのdualに用いられ、1次元拡散過程の時間無限大での漸近的性質の研究に非常に有効であった。Darboux変換の無限回の繰り返しの極限の存在をストリングの場合にも考察することは非常に興味深い。 Remlingの定理のKdV力学系への拡張については証明に誤りがあり、スペクトルのある理領域でしか示せていない。一方、RybkinはKdV方程式の解をWeyl関数の時間発展で表現できることを指摘している。これを使うとRemlingの定理の拡張が任意のKdV方程式の解について(スペクトルのある領域で)成り立つことを示せるので、初期関数のクラスは一般化できた。このことについては8月の国際研究集会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Remlingの定理の一般化については部分的な結果に終わっているが、初期関数のクラスについては一般化できた。またKdV方程式の解の構成法の新しい可能性を発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
初期値が定常確率過程であるKdV方程式の解の構成の可能性がDarboux変換を使うことにより見えてきた。現在、状態分布関数のKdV力学系の下での保存は、Darboux変換を使うことにより示せているので、これを使いKdV方程式の解を構成したい。
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Causes of Carryover |
計画ではユディツキー教授との共同研究のためにオーストリアに2週間程度出張の予定であったが、その方面の研究が進展せず中止した結果、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年4月~6月の3カ月間、ケンブリッジ大学のニュートン数理科学研究所に滞在し、他の参加者と共に共同研究を行うため、その旅費に使用する。
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Research Products
(3 results)