2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on limit set of KdV flow
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26400128
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
小谷 眞一 関西学院大学, 特定プロジェクト研究センター, 客員研究員 (10025463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千代延 大造 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50197638)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | KdV方程式 / シュレーディンガー作用素 / 佐藤理論 / スペクトル / Toeplitz作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
佐藤理論の代数的構造のある種の閉包をとることにより,半無限区間で無反射的なスペクトルを持つ初期関数から出発するKdV力学系を構成することには成功していた.今年度の目標はその初期関数のクラスをできるだけ一般化することであった.まず,佐藤理論の閉包において,これまでの方法ではある種の正値性が必要であり,その正値性がどれだけ自然な条件であるか不明であったが,正値性と力学系が実軸で特異点を持たないことが同値であることを示すことができ,佐藤理論の閉包は完結した. さらに,より一般的な初期値に対する力学系の構成のためにタウ関数の表現式を基礎となるシュレーディンガー作用素のスペクトルと深く関連させて得ることに成功した.これによりKdV力学系を表象が実奇関数であるときには,タウ関数を非常に一般の初期関数にまで拡張することが可能になった.力学系構成のためにはタウ関数が非退化であること,つまり正であることを示すことが必要であるが,これについて十分一般的な十分条件が得られていない.将来の課題である.KdV力学系でこの理論が完成すれば他の類似の可積分系においても力学系を構成することが可能になると思われる.
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Research Products
(6 results)