2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26400137
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 賢太郎 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30399795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 太幹 福山大学, 大学教育センター, 准教授 (60289270)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポテンシャル論 / 準線形楕円型方程式 / 除去可能性 / 半線形熱方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はラプラス作用素を含む半線形楕円型方程式について,解の増大度と集合の除去可能性の関係を明らかにした。今年度は主要項をp-ラプラス作用素にした場合を考察した。つまり,p-ラプラス作用素と非線形湧出項または吸収項を含む準線形楕円型方程式である。解析上の大きな違いはラプラス方程式については優調和関数に対して大域的なリースの分解定理が成り立つが,p-ラプラス方程式についてはそのような分解定理は成り立たないことである。1994年にキルペライネンとマリーによって確立されたp-優調和関数に対するウルフポテンシャルを用いた評価は局所的なものであるが,上手く議論することで解の増大条件から除去可能集合の次元を決定することが可能になる。このことに注意して非線形湧出項を伴うP-ラプラス方程式に対して次のことを証明することができた。 (1)一様ミンコフスキー条件を満たすコンパクト集合はその次元に関係する増大条件を満たす正値解に対して除去可能である。 また,最大値原理による方法で吸収項を伴うp-ラプラス方程式に対して同様の結果を得ることができた。さらに,上記条件を満たす集合として様々なフラクタル集合が含まれることもわかった。これらは分担者との共同研究により成されたものであり,現在論文投稿中である。 これとは別に,リプシッツ領域上の境界点に特異点をもつ半線形熱方程式の正値解の存在に関する研究も行った。境界の形状が大きく影響するため前回の研究課題で確立した熱核評価を上手く用いて適当な関数空間とその上の作用素に対して不動点の存在を示すことで積分方程式を満たす解の存在を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた準線形楕円型方程式に対する除去可能集合の研究の他に,半線形熱方程式に対して境界特異点をもつ正値解の存在についても成果を得ることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究成果を研究集会などで発表するとともに更なる発展を目指す。
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Causes of Carryover |
研究代表者は計画通りに使用できたが,分担者は大学業務の都合で当初予定より出張回数が少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表や次の研究の準備のための旅費や研究環境の整備に使用する。
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Research Products
(3 results)