2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26400137
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 賢太郎 広島大学, 理学研究科, 准教授 (30399795)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 太幹 福山大学, 大学教育センター, 准教授 (60289270)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 半線形熱方程式 / 先験的評価 / ポテンシャル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,有界Lipschitz領域において冪乗型の非線形項を伴う半線形熱方程式(藤田型方程式)の正値解の初期時刻および境界付近での増大度についてポテンシャル論の視点から考察した。初期時刻での増大に関する先験的評価は1998年のBidaut-Veronの研究や2011年のTaliaferroの研究で与えられ,非線形指数が藤田指数より小さいならば,正値解は基本解と同じ増大率で評価される。一方,境界付近の増大度に関する先験的評価は2007年にPolacik-Quittner-SoupletによりLiouville型定理との関係に着目して方程式のスケール不変性に関する増大率で評価できることが示された。しかし,非線形指数が1に近いとき,この評価は最良でない。本研究では,方程式より一般に半線形熱不等式を満たす正値解に対して,非線形指数が領域の形状に依存して決まる或る定数より小さいときには熱方程式の正値解と同じ増大評価が成り立つことを証明した。先の研究で得た熱核の評価は有用であるが,滑らかでない領域の場合は熱核の境界付近での減衰の仕方が境界点ごとに異なるため望む評価を得ることは容易ではなく,正値調和関数の研究で得られたCarleson評価や境界減衰評価などを上手く利用することがブレークスルーの鍵となった。Rieszの分解定理を用いて解を適当な形で評価し,反復法の議論で望む評価を得た。さらに,上述のポテンシャル解析により,非線形指数を変動指数にしてBidaut-VeronやTaliaferroの結果を含む形で評価を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では計画していなかった問題に取り組み成果を上げることができたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
増大評価の応用として境界に特異点を解の存在・非存在について考察する。文献調査や様々な研究集会参加により情報収集を行う。
|
Causes of Carryover |
研究代表者は大学業務の都合で当初予定より出張回数が少なくなったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の発表や次の研究の準備のための旅費や研究環境の整備に使用する。
|
Research Products
(4 results)