2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new multivariate prediction theory and dynamic dependency analysis in finance
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26400139
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 昭彦 広島大学, 理学研究科, 教授 (50168431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 雪夫 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (10399793)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 偏相関関数 / 有限予測誤差 / ARMA過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
離散時間定常過程の予測理論において、偏相関関数や有限予測誤差は、基本的な量である。一方、離散時間定常過程の中において、自己回帰移動平均過程(Auto-Regressive Moving-Average 過程、略して、ARMA 過程)は、非常に基本的で応用上も重要なモデルである。ARMA 過程というと、通常は1次元 ARMA 過程を指すが、多次元 ARMA 過程を考える場合もある。多次元 ARMA 過程を一般的に考えれば1次元 ARMA 過程の場合も含まれるわけであるが、1次元と多次元の間には取り扱いの難しさに大きなギャップがあり、多次元の方が、はるかに扱いが難しい。 今年度、本研究において得られた最大の成果は、(1) 1次元の ARMA 過程の偏相関関数や有限予測誤差に対する行列表示の形をした閉形式表示 (井上-笠原)、(2) 多次元の ARMA 過程に対する、(1) の結果の拡張、すなわち、多次元 ARMA 過程の偏相関関数や有限予測誤差に対する閉形式表示(井上)、の2つである。これらの閉形式表示は、考える ARMA 過程のスペクトル密度の分解に現れる(多次元の場合は2つの)外部関数の極の情報(極の位置や位数等)によるものである。 これらの成果のうち、(1) の「1次元 ARMA 過程の偏相関関数と有限予測誤差の閉形式表示」に関する論文は、井上-笠原の共著でジャーナルに投稿されている。(2) の「多次元 ARMA 過程の偏相関関数と有限予測誤差の閉形式表示」に関する論文は、現在、準備中である。(2) の結果の証明には、研究代表者の井上等により発展させられてきた予測理論的手法を用いる。特に、井上・笠原・Pourahmadiの最近の一連の研究により導入された新しいテクニックが大きな役割を果たす。
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