2017 Fiscal Year Research-status Report
非線形楕円型方程式の解の一意性および多重性についての研究
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26400160
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塩路 直樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50215943)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 弾性曲線 / 楕円型方程式 / 正値解 / 一意性 |
Outline of Annual Research Achievements |
球面上の曲線の曲率の絶対値のp乗プラス定数の積分値を汎関数として、その第一変分公式を満たす曲線の候補となる微分方程式の性質を詳しく調べた。具体的には、その微分方程式の解が、flat core解という奇妙な球面上の曲線に対応する場合である。その微分方程式が原点で局所リプシッツではなくなるためためにflat core解が生じるのだが、局所リプシッツ性でないがゆえに生じることについての考えが十分でなかったために、議論を大幅に修正した。 球面上の幅の狭い円環状領域においてBrezis-Nirenberg問題の正値解からの分岐問題についての研究を行った。まず問題になるのが、関数値が北極からの距離のみによる正値解の一意性である。球面上の幅の狭い円環状領域において、これまでに得られている結果を適用して、一意性を得ることはできないことを確認した。その上で、JDE 255やCVPDE 55で使ったPohozaev関数を、そこで用いたのとは違う方法で用い、狭い円環状領域では正値解の一意性を得られることがわかった。 JDE 255やCVPDE 55で得ている楕円型方程式の正値球対称解の一意性の結果は、かなり強力な結果ではあるが、一意性をカバーできない楕円型方程式はたくさんある。Kolodner-Coffmanによる方法で、正値解の一意性を示されることもあるが、Pohozaev関数を用いる方法と比べて完全な優劣はつかない。両者を組み合わせる議論を考え、一意性の結果を改良しようと試みた。部分的な結果は出ているが、本年度も継続して研究する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
球面上のp-弾性曲線についての研究成果をまとめ、論文として発表されることが決定した。また、球面上の狭い円環状領域におけるBrezis-Nirenberg問題について、論文にまとめている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
連携研究者と毎週セミナーを行い、関連する論文を読んだり、研究課題について考えたことや問題点をディスカッションするなどして、研究を進める。また、研究成果の発表や情報収集を行うため、国際会議や国内の研究集会に参加する。今年度は台湾で開催される国際会議The 12th AIMS Conference on Dynamical Systems, Differential Equations and Applicationsにて、研究成果の発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成30年度からの大学院の組織改編が認可されたため、大学院入学試験が通常とは異なる時期に行われ、予定していた出張をキャンセルしなければならなくなったなどのため。 (使用計画)平成30年度は、台湾で開催される国際会議への出席を予定しており、その旅費の一部として適切に使用する。
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