2014 Fiscal Year Research-status Report
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26400166
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 厚志 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (70116119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 吉孝 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (30259915)
大崎 浩一 関西学院大学, 理工学部, 教授 (40353320)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放物型発展方程式 / 確率微分方程式 / 力学系 / 生物学モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究面では、Ta Viet Ton(協力者)並びに山本吉孝(分担者)、大崎浩一(分担者)とで線形確率放物型発展方程式の解の構成を行った。また、このメンバーで確率森林動態モデル(ただし常微分方程式バージョン)を考察し、樹木の枯死率にノイズ効果が加わった場合にその大きさと森林の持続性との関係について定量的な結果を得た。 8月にはNguyen Huu Du教授(海外共同研究者)の招聘によりVietnam Institute for Advanced Study in Mathematicsに滞在し同教授との共同研究を発展させた。9月には Bologna 大学で開催された国際研究集会”PDE’s, Inverse Problems and Control Theory 2014”に招待され研究成果に関わる講演を行った。9月には、Malaysiaイスラム大学 で開催された”3rd International Conference on Mathematical Applications in Engineering”で11月には松江で開催された”7th International Symposium on Surface Science”で、12月には日本女子大開催された第40回発展方程式研究会でそれぞれ研究成果に関わる発表を行った。 太田家健佑(D2学生)をRAとして雇用し、研究に関連する文献資料の収集と整理、発表論文の準備等の作業を依頼した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
線形バージョンながらBanach空間における確率放物型発展方程式について強解の構成に成功した。ノイズは有限次元の外力項として負荷される。併せて、初期値と外力関数に関する最大正則性も示すことができた。本成果は、次のステップとして非線形バージョンを考察する上での基礎である。本成果は発表に向けて準備中である。 他方、確率森林動態モデル(常微分方程式バージョン)において樹木の枯死率にノイズが加わったとき、その大きさと森林の持続性あるいは消滅性との関係性について定量的な結果を得ることができた。本結果は、次に拡散形(偏微分方程式バージョン)へ拡張する際の指針となる結果である。本結果は論文として纏めて現在投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
Banach空間における確率放物型発展方程式では、非線形バージョンを扱う。線形方程式に対して得られた強解の正則性を利用して非線形方程式に対して強解の構成を行う。さらに非線形方程式から生成される力学系の構成を行う。 生物学モデルに関しては、特に森林動態モデルについてどの様なノイズの入れ方が可能か、あるいは生態学的に妥当かといった問題について、フィールド・ワークの文献等を調査しながら検討する。
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