2017 Fiscal Year Research-status Report
2点境界値問題の解の個数と振動解の長さとフラクタル次元
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26400182
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
田中 敏 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90331959)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 2点境界値問題 / 正値解 / 分岐 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,1次元リウヴィル型方程式,1次元の (p,q)-ラプラス作用素をもつ方程式,2階線形微分方程式,2次元線形微分方程式系,2次元半分線形微分方程式系について成果を得た。 1次元リウヴィル型方程式について,その2点境界値問題の考察を行い,正値偶関数解のモース指数を求め,正値非偶関数解の分岐現象を発見した。これまでそのような現象は2次元以上のリウヴィル型方程式については確認されていたが,1次元の場合はこれまで見つかっていなかった。1次元の (p,q)-ラプラス作用素をもつ方程式については,ある自励系の2点境界値問題について考察を行った。そして, その正値解と問題に含まれるパラメータとの関係を分岐図式に表し,正値解の個数とそのパラメータの関係を完全に明らかにした。2階線形微分方程式を有界区間で考え, その端点で振動する解の曲線の長さが無限大であるための十分条件を新たに導いた。先行研究では Hartman-Wintner 型の条件を仮定しているが,本研究ではその条件を仮定することなく,振動解の無限長性に関する結果を得ることに成功した。2次元線形系については, 原点が渦状沈点である場合の解曲線のボックス・カウンティング次元を求めた。これまで,2次元自励系の解曲線に関してはそのような結果が存在しているが,非自励系に関してはこの結果が初めてのものである。2次元半分線形微分方程式系について,自励系の解の漸近挙動について,完全に分類することができた。特に,線形系の場合の特性方程式の役割を果たす方程式を新に発見することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに投稿した4編の論文が本年度に出版された。また、新たに3編の論文を本年度に投稿することができ, そのうち1編が出版された。従って、本研究は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究打ち合わせや情報収集のため、2点境界値問題の研究者を訪問したり、研究集会に参加する。 さらに、2点境界値問題の専門家を海外から日本に招へいして、本研究を進展させる。また、研究集会や学会などで研究成果を発表する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は極めて少額であるため、申請した使用計画に変更はない。
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Research Products
(9 results)