2014 Fiscal Year Research-status Report
デジタル指紋符号の組合せ理論的新構成法に関する研究
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26400186
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤原 良叔 筑波大学, システム情報系, 教授 (30165443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繆 いん 筑波大学, システム情報系, 教授 (10302382)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デジタル・コンテンツ / デジタル指紋 / separable code / frameproof code |
Outline of Annual Research Achievements |
デジタル・コンテンツと呼ばれるデジタル音楽,書籍,映像,コンンピュータ・ソフトウェア等が普及しつつある.そんな中で,一番大きな問題はそれらコンテンツの違法コピーを如何に防ぐかである.今研究されている方法に,デジタル・コンテンツの中に,利用者にはわからないように,識別コードを埋め込む方法である.目的はたとえ複数人が結託したとしても,違法コピーされたものと判断できる,あるいは結託者達を追跡できるようにすることである.この符号を構成するため,既存研究とは異なる,新しい概念を導入し,構成手法を新しく作り直すことを試みている. 位数2のn-1次元有限射影幾何PG(n-1,2)の上で,次元が d のi-line が存在しない部分空間 (i-line free d-flatと呼ぶことにする)の存在が証明できれば,2^{d+1}+1 個の語からなる 2-separable code が構成できることがわかっている.この方法が現在の所の唯一のseparable code のシステマティックな構成法である.d=n-2 の場合,i-line freeの超平面は存在しないことを証明した.Hamming code の双対符号はHadamard design と呼ばれる一種の組合せ的デザインの性質を持っていることが知られている,またこの符号はi-line free で部分空間にもなっている.この符号からいくつか(k個)の座標を削除しても i-line freeの性質は保っている.そのため,いまのところわかっている最大のi-line free d-flat は n=2^m-2-kのときに次元がd=2^{m-2} , 0 \le k \le m-2 である. この系列よりも,できるだけ n に近い i-line free d-flat を見つける研究を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
射影幾何PG(n-1,2)のある次元までは i-line free のフラットが存在することは証明できた.しかしそれ以上の次元では超平面を含めて,存在しないという仮説をしているが,証明はまだである.超平面の場合は非存在であるのは準備段階で証明できている. Hamming code の双対符号はHadamard design と呼ばれる一種の組合せ的デザインの性質を持っていることが知られている,またこの符号はi-line free で部分空間にもなっている.この符号からいくつか(k個)の座標を削除しても i-line freeの性質は保っている.そのため,最大のi-line free d-flat は n=2^(m-2-k)のときに次元がd=2^(m-2) , 0 \le k \le m-2 であることが証明できた.
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Strategy for Future Research Activity |
射影幾何 PG(n-1,2) 上で i-line free のフラットの存在,非存在の問題に取り組む.この問題が解決すると,線形の 2-separable code と 2-frameproof code の存在/非存在がはっきりする. そして,d ができるだけ n に近い i-line free d-flat を見つける研究を行う. 多値符号の場合,子孫ベクトルの定義が2値の場合の発展系ではなく,新しく定義し直した. 多値(q値とする)とこれを(0,1)のq次元ベクトルで一カ所だけが1で他は0であるようなベクトル(セグメントと呼ぶ)と対応する.そしてセグメントがn個集まった位数2の有限体F_2のnq次元ベクトルと考える.このようなベクトルの集合を W^(nq) と書く. W^(nq) を F_2^(nq) の部分集合と考え,F_2^(nq) の上で,子孫ベクトルを定義する. そうすると子孫集合の集合論的関係が 同値なF_2^(nq) 上の代数的な関係に置き換えることができる W_(nq) のベクトルを v 個並べた,nq × v のつぎのような行列で,どの4列もF_(2^(nq)) 上で線形独立になっているような行列を構成すると,q値で v個の符号語を持つseparable code を作ることができる.符号理論ではこのような行列は1の数が要素数全体の中で少ない(この場合は1/q)ので LDPC(Low Density Parity Check)符号と呼ばれている.LDPCは近年,理論,応用で非常に発展し,多様な構成法が開発されている.LDPCで開発された手法をサーベイし,W^{nq}から出来るだけ多くのベクトルを含んだ最小距離5のLDPC符号を構成する.これに関しては繆が中心となり,研究を進める.
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Causes of Carryover |
物品が予定していた Apple Macintosh システムが同性能で安価で購入できたため..
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
コンピュータシステムの付属品(プリンター)を購入する予定である.
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Research Products
(10 results)