2014 Fiscal Year Research-status Report
代数的符号理論に基づくマトロイド理論の新展開と量子情報理論への応用
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26400187
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
城本 啓介 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00343666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 周也 熊本大学, 自然科学研究科, 講師 (80579764)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 符号理論 / マトロイド / 量子情報理論 / 組合せ論 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は代数的符号理論において,これまで,主に与えられたパラメータや数理構造をもつ符号の存在問題および構成法の研究をおこなってきた.本研究においては,こうしたこれまでの研究を土台にして,マトロイド理論と量子情報理論の2分野における同種の古典的問題を新たな視点から研究し,異なる分野間における統一的構造の理解をより深めることを目的として研究を進めている. 本年度においては,研究期間の初年度における研究基盤づくりを目的として,各課題においては主に計算機による豊富な具体例の作成およびその解析に取り組んだ.具体的な研究成果は以下の通りである. 1.マトロイドとそのマイナーの関係を符号理論的に理解するために,まずは符号とそのマイナー(穿刺と短縮を繰り返して得られる符号)の関係を計算機を用いて具体的に解析した.代表的なマトロイドマイナーに対応する完全グラフ・完全2部グラフやファノ平面・アフィン平面の接続行列から生成される符号やその双対符号をマイナーとする具体的な符号を構成し,符号とそのマイナーについて,次元による部分符号の分布および重み多項式に関する計算データを採取し,データー間の関係を解析した. 2.任意の表現マトロイドに対する臨界指数の限界式の導出のために,有限体上の符号に関する特性多項式および臨界指数を導入し、ハミング符号をはじめとした具体的に符号に関して,それらの計算データを採取し,解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間内の初年度と言うことで,研究基盤作りのため,当初の計画通り主に計算データの収集及び解析を行い,予想に近い結果を得ることができたのでおおむね計画通りに進んでいると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的としていた問題が,符号理論における新たな問題と関連することが研究を進めて行くうちに判明した.従ってより広範囲の問題を解決するために,新たな研究データの収集および解析や有限幾何をはじめとした他の組合せ論における手法を取り入れる必要が生じてきた.さらに,ネットワーク論における問題とも関係が深いことも判明し,次年度以降は視野に入れていくこととした.
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Causes of Carryover |
研究データの整理のための謝金による雇用を次年度以降へ変更したことと,購入を予定していた計算機のモデルチェンジのため次年度以降の購入へ変更したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新型の計算機の購入および研究期間における途中成果の発表のための国外旅費として主に使用する予定である.
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Research Products
(11 results)