2014 Fiscal Year Research-status Report
高次元数値表の低次元数値表分割化へのHilbertの第13問題の応用
Project/Area Number |
26400189
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
明石 重男 東京理科大学, 理工学部, 教授 (30202518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 賢史 東京理科大学, 理工学部, 助教 (60632552)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | Collatz予想 / 集合値解析 / エントロピー解析 / 再生核Hilbert空間論 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Collatz写像の1次元力学系への拡張とLee-Yorkeの定理との関係 「与えられた自然数が奇数である場合は3倍して1を加え、偶数である場合は2で割る」という演算を繰り返すと、どのような自然数も必ず1に到達するというCollatz予想は、未だに未解決問題として知られ、整数論だけでなく、確率論や計算理論など、あらゆる方向からの研究が進んでいる。そしてこの問題に関しても、「無限大に発散する初期値が存在するか」や「1→4→2→1以外の周期起動が存在するか」等のような未解決問題が多いことでも有名である。本年度は、Collatz写像の連続体への拡張を考え、1次元力学系におけるLee-Yorkeの定理との関連性を見出し、Collatz写像の入れ子操作により構成される軌道の漸近的挙動解析の手段を得た。
2.再生核Hilbert空間の集合値解析的分類法 制御理論等で有効な再生核Hilbert空間理論をL2関数空間論に適用した場合に、再生核に基づいた集合値解析的分類が可能であることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形解析学に属する集合値解析と関数解析学に属する再生核Hilbert空間論という相異なる領域に属する2領域の間に、エントロピーを用いて記述される橋渡し的関連性が見いだせたため。 具体的には、L2空間の部分空間としての再生核Hilbert空間は、正定値関数を用いて特徴づけられること、ならびに正定値関数を積分核作用素と見なした場合の固有値固有ベクトル展開定理を与えるMercerの定理が、再生核Hilbert空間で用いられる内積を厳密に表現出来る事を見出したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
Mercerの定理により求められた内積は、対応する再生核Hilbert空間の閉単位球の構造を厳密に決定するが、この閉単位球を、母空間としてのHilbert空間から眺めた場合、コンパクト凸集合であることが知られている。そこで、Mercerの定理による積分核関数の公有地子乳ベクトル展開定理で得られた固有値列の分類法を、再生核Hilbert空間の分類に適用することが可能となる。この適用可能性は、集合値解析を用いて実現されるので、今後はこの方向で研究を進めていきたい。 現在は、本研究を実施するための数学的道具を準備している段階であるが、今後は、高次元データ圧縮への応用を展開していきたい。
|
Causes of Carryover |
昨年度の申請題目に関する研究継続のため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.低次元数値表データの高次元埋め込み可能性 2.高次元数値表データの低次元数値表分解と近似再生システム作成 3.上記研究題目1と2の相互関係調査
|
Research Products
(6 results)