2015 Fiscal Year Research-status Report
集合値解析と凸解析に基づく集合値不等式の研究と最適化問題への応用
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26400194
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 環 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10207110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 泰紀 東邦大学, 理学部, 教授 (20313447)
黒岩 大史 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (40284020)
山田 修司 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80331544)
劉 雪峰 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50571220)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 集合値計画 / 非線形スカラー化 / ミニマックス不等式 / 集合値最適化 / ベクトル最適化 / 凸解析学 / 集合値写像 / 半順序空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,先行研究(基盤研究(C)課題番号19540120,21540121)で得られた結果を利用して,集合値準凸関数族の研究を行い,集合値不等式の研究と様々な最適化問題への応用研究を行うことを目指すものである。平成27年度に得られた結果は以下のとおりである。 (1)新潟大学に3ヶ月間滞在したスペインからの研究留学生J. L. Rodenas-Pedregosa氏と共同研究を行い,先行研究で得られた研究成果に基づいて位相構造を仮定しない順序線形空間での集合の弱有効解の代数的な性質を明らかにし,抽象空間におけるベクトル均衡問題について新しい知見を得た。現在,学術雑誌へ投稿中である。 (2)統一的非線形スカラー化関数の持つ性質を一般化して,集合値写像の様々な凸性がどのようにスカラー化関数により保存されるかを調査し,学術論文として公表した。 (3)前年度に得られた,Ricceriの非線形不等式の集合値写像への拡張についての知見を学術論文として公表した。 (4)統一的非線形スカラー化関数を利用したスカラー化手法により,集合値写像に対する二者択一の定理を一般化し,その半正定値計画問題へ応用した研究成果を新たな学術論文としてまとめ投稿予定である。 (5)本研究に関するこれらの新しい知見は,九州工業大学で開催された,第5回バナッハ空間と関数空間に関する国際シンポジウム(ISBFS2015)と台湾国立彰化師範大学で開催された,国際交流姉妹校による自然科学に関する第4回国際会議(ICNS2015)で口頭発表を行った。また,日本数学会の2015年度秋季総合分科会でも口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度まで進展していなかった,集合値準凸関数族の研究に着手でき,研究分担者との研究もある程度進んできている。また,新潟大学で滞在したスペインの研究留学生とタイからの研究者との共同研究が順調に進み,学術論文の投稿へ結びついた。さらに,前年度得られた研究成果を学術論文として出版できた。
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Strategy for Future Research Activity |
凸解析学や非線形用素論への応用など,本研究の応用分野への取り組みが遅れているために,最終年度では是非進展させたい。その際に得られた新しい知見や課題を新たな研究テーマとして検討したい。
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Causes of Carryover |
2015年にタイで開催された非線形解析学と凸解析学に関する第9回国際会議(NACA2015)が予定よりも早く平成27年1月に開催された上,体調不良のために不参加となって予算に残額が生じた。また,他の研究分担者もわずかずつの残額があったために,上記の当該助成金の残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は本研究の最終年度にあたるために,研究成果の発表旅費として計画したり,共同研究者などを日本国内で開催される国際会議に招へいして,本研究テーマに関するシンポジウムを行う予定である。
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Research Products
(10 results)