Project/Area Number |
26400196
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
厚芝 幸子 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (20327761)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 不動点 / attractive point / acute point / 最適化問題 / イタレーション / 収束 / エルゴード定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 不動点理論と凸解析に関する非線形関数解析学の基礎理論を体系的に確立する研究を行い, それも基にして不動点理論・不動点近似の立場から非線形問題を再構成し, 不動点の存在・不動点近似やattractive point近似, acute point近似に関して研究してきた. それを基に, 非線形最適化問題等の非線形問題の解への収束定理を確立することを念頭に, 新たに導入したcommon attractive point, acute point, common acute pointへの収束定理をuniformly asymptotically regularをもつ写像族に対する研究に力点を置いて研究してきた. 平成28年度に得た主要成果は以下の通りである.非線形問題への応用の足がかりを確立するのに有効と見込まれることからattractive pointやcommon acute pointの基礎性質、特に共通不動点の基礎性質に相当する性質に関する成果を示した.この基礎性質を用いることで, 写像族のcommon acute pointへの収束定理を証明した. 不動点, attractive point, acute pointの相互関係についての成果も示した. それを用いて, 最近注目されつつあるk-シュードコントラクティブ写像の族, uniformly asymptotically regularをもつλ-ハイブリッド写像およびそれらに関連する写像の不動点, attractive pointへの収束定理に力を入れて研究してきた. さらにその写像族の共通不動点, common attractive point, common acute point相互関連性についての成果も示した. それらも基にして, 新しいタイプのイタレーションを用いて, uniformly asymptotically regularをもつ写像に対する収束定理を示した. これらの成果は国内外の雑誌で公表されたり, 国内外の研究集会で発表して大変関心を持たれた. これらの事は, 本研究が順調に進み, 成果をあげたことを意味し, 今後の発展的な研究に結びつくことも裏づけている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した当初の計画事項の研究を進められたし, さらに当初計画の先にあたる研究成果も得られ, それらは平成28年度中に国内外の雑誌に論文掲載されたもの, 論文掲載が決定して印刷中のものがある. また, これらの成果は国内外の雑誌で公表されたり, 国内外の研究集会で発表して大変関心を持たれた. これらの事は, 本研究が順調に進み, 成果をあげたことを意味し,今後の発展的な研究に結びつくことも裏づけているといえる. 具体的には以下の状況で, 順調に進展している. 申請書に記載した通り, あまり研究されていないが非線形最適化問題等の非線形問題には有効と見込まれる写像に対しての不動点近似, common attractive point近似,さらにはcommon acute point近似の成果を得た. 非線形問題への応用が見込まれる, 不動点集合を一般化したacute point集合の概念を特にuniformly asymptotically regularをもつ写像に対して研究し, また attractive pointに関して研究し, いくつもの収束定理にも用いられる基礎性質に関する新たな成果を示した. また, uniformly asymptotically regular性質を満たす写像族のattractive pointへの強および弱収束定理を示すことができ, それにより非線形問題とくに変分問題と最適化問題の融合問題への応用の足掛かりを築けた. また平均の概念も用いない新たな手法を用いたHalpern type法やMann type法などによるattractive point近似の研究を進め, 弱および強収束定理を示せた. さらに非線形問題の融合問題への応用を考えた収束定理を研究した. これらに関連した幾つもの有効な研究成果を得られ, 計画よりもさらに進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるので平成28年度までの研究成果も基にしながら, 以下の大枠の目標を掲げてすすめることを研究推進の方策の1つと考える. (1)不動点理論に関する非線形関数解析学の基礎理論をまだ研究していない新しいタイプの写像に対して確立, (2)不動点を一般化したcommon attractive point, common acute pointをもとめる点列近似法の理論体系の確立, (3)非線形問題の解をもとめる点列近似法の再考察と発展. それを進めるために以下の具体的な方策を立てて進める.この大枠の目標に従って進めるため, これまでの成果も基にし, 数値実験もしながら進める. 1. 有効性が見込まれつつあるCAT(0)やBanach空間において, λ-ハイブリッド写像, 一般的ハイブリッド写像, 擬非拡大写像, ノンスプレッド写像等まだあまり研究されていないが非線形最適化問題等の非線形問題には有効と見込まれる写像・作用素に対してBrowder type法, Halpern法, Mann法, Hybrid法等の点列近似法及び新たに考えた点列近似法等の不動点近似法のアイディアをattractive point近似, acute point近似に適用できるか研究する. それらのもつ意味, 重要性を考察し, 本質を見極め, これらの写像に関する統一的な理論体系およびこれらの不動点やattractive point, acute pointへの収束定理の理論体系を構築する. 2. 1.やこれまでの成果を基にして, 特にCAT(0)における均衡点への収束定理および非線形最適化問題や変分問題の解への収束定理も確立する. 3. 最近考案された非線形射影やλ-ハイブリッド写像等については, 特に最近有効性が見込まれつつあるCAT(0)における性質などかなり未解決問題が多い. そこで, 数値実験もしながら, それらの持つ意味・基礎性質・重要性を考察し, 本質を見極め, これらの写像の基礎的性質に関する1つの体系を構築する. それを基に, これらの写像に対して使いやすい点列近似法を探求する. 今後は以上の推進方策で進める.
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Causes of Carryover |
論文発表および情報収集することを予定していた国際シンポジウムの開催が研究代表者の病気により延期になってしまったことで、それに伴う渡航・論文発表が延期になってしまったことが理由です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究集会延期により、論文発表や情報収集できなかった分を今年度で早い時期の国際研究集会にあたるICFPTAに参加して論文発表・情報収集することを計画しています。それに伴う予算計上をします。
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