2016 Fiscal Year Annual Research Report
New statistical inference for locally stable model and its implementation
Project/Area Number |
26400204
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 弘毅 九州大学, 数理学研究院, 教授 (10380669)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統計的漸近推測理論 / 確率過程モデル / 疑似安定過程モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主眼は大規模高頻度従属データ解析の理論基盤構築であり,特にジャンプ型確率微分方程式モデル(SDE)を対象とする.本年度は主として以下の結果を得た. (1)擬似安定SDEモデルの非正規擬似尤度推定について,これまでおいていた局所安定L1-近似に関する仮定を緩和し投稿した(arXiv:1608.06758 最終更新2016年10月27日).同論文では異なるノイズ過程について数値実験を行って提案手法の有用性を確認しており,特にノイズ過程が安定過程の場合には小標本でも非常に高い推定精度が示されている.Ivanenko氏とKulik氏との先行共同研究や最近の他の研究者による成果(Clement et al. hal-01470749)により,本研究で提案した擬似尤度は複数の場合で漸近有効性を有することが次第に明らかとなってきている. 応用上重要なモデル誤特定およびオンライン推定に係る漸近推測に関する成果を得るには至らなかったが,本研究期間中に得られた理論的知見はその礎となっており,現在も研究中である. (2)歪みも許す一般のレヴィ過程で駆動されるSDEモデルについて,スケール・トレンド係数の段階推定法を考案し,推定量の漸近分布を導出した(和文誌「統計数理」に採択済み).漸近分散は一般に同時推定の場合と異なることを示し,その一致推定量も容易に構成可能である.数値実験により提案推定法の妥当性を観察した.推定対象のモデル構造を分離できるため,本結果によって例えば二段階凸最適化モデリングを通じた数値計算面での利点も保証される.また,同時探索を必要としない段階的モデル相対評価も可能となるであろう.さらに先行結果Masuda and Uehara (2017)と併せることで,レヴィ測度の汎関数推定まで包含する多段階推定方式も行えるようになった.
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Research Products
(7 results)