2014 Fiscal Year Research-status Report
シフト不変ウェーブレットと数値解析手法による電子透かしとその理論構築
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26400206
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| Research Institution | Saga University |
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Principal Investigator |
皆本 晃弥 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00294900)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | ウェーブレット変換 / 電子透かし / 画質評価 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、シフト不変なウェーブレットに基づき、電子透かし法に要求される条件や計算方法などに関して数学的な理論を構築し、さらに数値解析的手法を組み合わせた電子透かし法の開発を通じて、ウェーブレットや数値解析に対する新たな知見・応用を得ることである。
この目的を達成するため、本年度の計画としては、１．申請者らが開発した複素数離散ウェーブレットやダイアディック・ウェーブレット変換に基づく電子透かし法において、数学的に理論整備ができていない点について、問題点を明らかにした上で理論を整備し、新たな電子透かしアルゴリズムを考案する、２．PSNRやSSIMといった既存の画質評価法では評価できない画像に対する、新たな画質評価指標の作成する、の2点を挙げた。
結果として、１．透かし入り画像から原画像を作りだせるような電子透かし法をダイアディック・ウェーブレット変換に基づいて開発した、２．ダイアディック・ウェーブレット変換とカオスモデルを組み合わせた電子透かし法を開発した、３．連続ウェーブレット変換した画像に対する粒状性、鮮鋭度、ノルム誤差評価が画質劣化指標になり得ることを発見した、４．３で得られた知見と複素数離散ウェーブレットの関数形状が連続ウェーブレット変換に似ていることを利用して、SSIMやPSNRよりも主観評価に近い新たな画質劣化指標を提案した、５．画質そのものを評価するためには、離散ウェーブレット変換した画質に対する粒状性、鮮鋭度、ノルム誤差評価が有効であることを発見した、という５つの成果を上げた。
また、ウェーブレット変換の応用として、内視鏡画像からの早期食道癌に関する研究にも取り組み、ウェーブレット分解とフラクタル次元の組み合わせや、カーブレットとコントラスト強調の組み合わせで、早期食道がんを自動検出できる可能があることを発見した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目的は、１．申請者らが開発した電子透かし法に対する数学的な理論整備およびそれに基づく電子透かし法の開発、２．画質評価指標の作成、の2点であり、数学的な理論整備は十分にできなかったが、新しい電子透かし法と画質評価指標は提案した。また、研究で得られた知見を基に、内視鏡画像から早期食道がんを自動検出するための基礎技術を開発したため、おおむね順調に進展していると自己評価する。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発した画質評価法をもとに、電子透かし入り画像に対する主観的評価に近い客観評価方法を開発するとともに、これまでに開発した電子透かし法の数学的な理論整備を進め新たな電子透かし法を提案する。また、当初の計画にはなかったが、これまでの成果をもとに、内視鏡画像からの早期癌の発見にも取り組む。なお、得られた成果は、なるべく国際会議や国際論文誌で発表するよう努める。
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| Causes of Carryover |
当初、購入予定していたパソコンについて、業者が発注を失念していた上、メーカー欠品が重なり、年度末までに納品できなかったことが主な原因である。納期を優先させて要求スペックを満たさないパソコンを購入するよりは、研究遂行上十分なスペックをもつパソコンを購入すべきだと判断した。現在、業者に機種提案を依頼しており、次年度当初には購入ができる見込みである。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまで以上に数値実験を行うため、次年度の早い段階で、パソコンを購入し、成果を発表するために旅費や論文掲載料に研究費を使う予定である。また、英文論文誌での採択率を上げるため、論文校正代にも研究費を使う予定である。
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