2017 Fiscal Year Annual Research Report
Representation theories of the conformal Galilei groups and their mathematical and physical applications
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26400209
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
会沢 成彦 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70264786)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 次数付きリー群 / 表現論 / クリフォード代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は共形ガリレイ群というリー群の表現論を発展させ, それを数学の他の分野や理論物理に応用することを目的としている. 共形ガリレイ群は非相対論的な時空における共形変換の集合であり, 無限個の異なるリー群の総称である. 量子力学の基礎方程式であるシュレーディンガー方程式は共形ガリレイ群を対称性として持つなど, 非相対論系における基本的な群である. 数学的には共形ガリレイ群をリー超群に拡張したものや, それをさらに複雑な可換群により次数付けした「拡張されたリー超群」へと格上げしたものも興味深い対称である. 「拡張されたリー超群」は1970年代末に導入されたものであるが, その研究は40年を経た現在でもあまり多くの成果はなく, 特にその応用例(数学的にも物理学的にも)はほとんど知られていない. 本年度はこの「拡張されたリー超群」の場合を重点的に研究し, 興味深い結果を得ることができた. 以下に, その結果を列挙する. 1. 共形ガリレイ代数の一種であるシュレーディンガー代数を元にして新しい「拡張されたリー超代数」を導入した. また, フェルミ粒子を古典的に記述するのみ用いられるグラスマン代数を拡張したものの微積分を定義し, それが「拡張されたリー超群」の研究に有用であることを示した. 2. 拡張されたリー代数の表現論はあまり発展していない. もっとも簡単な例の場合でも通常のリー代数の最高ウェイト表現にあたるものをいかに作るかというのは未解決の問題であった. 拡張されたグラスマン代数を用いることにより, この問題にひとつの解を与え, 拡張されたリー代数が生成する群を対称性として持つ微分方程式を導いた. 3. クリフォード代数が拡張されたリー代数としての構造を持つことを示し, これを用いると任意のリー超代数を拡張されたリー代数に持ち上げることが可能であることを示した.
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